横浜 寿町を歩く…本当に危険な町なのか?

インターネットを長くやっていると、なんとなく目についてくる情報や噂がある。その多くはおそらく2ちゃんねる等の匿名掲示板周辺に端を発し、それがまとめサイトで広まり、コピペだったり都市伝説のようになって、今でもネット上に漂っている。
そしてその情報はそもそもが間違ってたり、盛大な尾ひれがついていたり、時間経過と共に実情とかけ離れていくものだ。実際に見てみないことにはわからない。

そんなわけで今回はその中のひとつ、「ドヤ街」で「危険」であるとあちこちに書かれている横浜の寿町を実際に歩いてきた。

寿町は横浜スタジアムの裏手にある

ネット上では「危険地帯」とされる寿町であるが、その詳しい場所まで知っている人は少ないんじゃないかと思う。
実は横浜スタジアムのすぐ裏手観光地の定番の中華街からも歩いて数分の場所だ。所属的には横浜市中区。神奈川県庁、横浜市庁、さらにみなとみらい地区も同区内に存在する。
地理的にはみなとみらいまで歩いて30分くらいなのだ。なんとも意外な話で、実際に歩いてみると拍子抜けしてしまう。

とにかく老人が多い

日雇労働者の簡易宿泊所、通称「ドヤ」が多く集まったのが「ドヤ街」、ネットで語られる「ドヤ街の風景」というのは殺伐としていて、犯罪が多発し…というものだ。そのイメージは本当なんだろうか。

今回は寿町を南西から北東に向けて通り抜けてみたのだけど、やはり雰囲気というのだろうか、空気感は周辺一帯と異なっている。
具体的に言えば、酒臭く、たばこ臭い。わずかにだが公衆トイレのような臭いがする場所もあった。
なにより、平日の昼にしては道を行く人が多い。「ドヤ」は一室の広さが3畳程度であることが多いそうだ。布団を敷いたらほとんど埋まってしまう。だからみんな外に出ているのだろうか。

実際に歩いてみると驚くほどに街を行く人の平均年齢が高い。杖をついていたり、歩行器を使っている人も多く見られた。日雇労働者というイメージからはかけ離れている。
町並みを見ても「ドヤ」の数もさることながら、目立つのは介護系サービス業の多さ。弁当屋も「ヘルシー・減塩」をうたう店が数多くある。
考えてみれば当たり前の話だ、似た年代の人達が集まっていたのだから、数十年後にみんな高齢者となる。当然のことだ。

寿町は「危険」か?

正直なところ「犯罪が多発している」という印象は感じられなかった。
おそらく荷物や服装から介護職であろう20代の女性を何人も見かけた。ネットでは生き馬の目を抜くような場所と言われているが、だいぶかけ離れているように思える。

決して治安が良いわけではない。道端で酒盛りをする人は30m間隔くらいで見かけたし、高齢者同士でつかみ合いの喧嘩になりかけている現場も見かけた。ゴミの出し方も中々に乱雑だ。
でも、別にこちらからなにもしなければ特に危険を感じることはなかった。物見遊山でギャーギャー騒いだり、執拗にカメラを向けたりしたら、そりゃあトラブルにもなるだろうなあ。という感じだ。
もちろん、これは自分が成人男性であったり、わりと体が大きいことにも起因しているのかもしれないが。

少なくともそこまで世紀末のヤベー街、というイメージは間違っていると言えるんじゃないだろうか。

寿町は生活の場なのだ。

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