貯水率が下がった宮ヶ瀬ダムに行った

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はてなブログ、今週のお題は「はてなブログ フォトコンテスト 2017夏」とのことで、神奈川県の巨大ダム、宮ヶ瀬ダムで撮影した写真をアップしたいと思う。
大きなサイズの写真はこちらから。

神奈川県に暮らしていると、「水不足」というのはあまりなじみのないワードだ。神奈川県には丹沢水系と相模川水系があり、なおかつある程度の降水量があるので、ちょっとやそっとでは渇水が起こらない土地柄だ。
しかし、今年は神奈川県最大のダムである宮ヶ瀬ダムの貯水率が60%台まで低下、かつて水没した街が姿を現したことが話題となった。
まあ、今調べてみたら水不足の代名詞である四国の早明浦ダムは貯水率が40%台だったので、そこまで切羽詰まっているわけではないのかもしれない。

それで冒頭の写真につながるのだけど、既に報道されているとおり、かつて水底に沈んだ木や交通標識が水面から顔を覗かせていた。
Wikipediaで調べてみると、ダムの建設で300戸の住宅が水没し、1000人以上の人々が転居を余儀なくされたそうだ。
1984年に補償交渉が妥結してから30年余、貯水を始めて20年余が経過しても、水底にあるかつての人工物は残っていたがそこに暮らしていた人の人生はかなり大きく変動したはずだ。

自分は宮ヶ瀬ダムの恩恵に預かって暮らしているのだと思う。日頃特別な意識はしないにせよ、ダムにはお世話になっているのだ。
自分の意識の外にあるダムのさらに底には水に沈んだ暮らしがあって、そこには人が住んでいた…というと、それは意識の外の外になってしまう。しかし、貯水率が下がったことによってその暮らしが水面から出てきたのだ。

誰かが不便を強いられる上での幸せなんて!…などと言うつもりはない。
実際に恩恵を受けて暮らしているわけで、たぶん宮ヶ瀬ダムは自分の暮らしに必要なものなのだ。
だからこそ、こんなときくらいは不便を強いられた人達のことを考えることも悪くないんじゃないかと思うのだ。

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