富士フイルムのレンズラインナップには、魚眼レンズが存在しない。まあ、そりゃあ、魚眼レンズってたぶんそこまで注力するものではないと思う。その分ズームレンズを充実させた方が、きっと企業的には正解だ。
でも、富士フイルムを使っていても、魚眼レンズを使いたい!という人のために、「安原製作所」というカメラメーカーさんが「MADOKA180」というXマウント対応の魚眼レンズを販売しているのだ!…というわけで買ってみた。
MADOKA180は「全周魚眼」と呼ばれるタイプのレンズである。広角レンズをパワーアップしたようなよくある魚眼レンズは「対角魚眼」と呼ばれるもの。全周魚眼は、レンズによる表現の極北地帯だと思う。
カメラに装着すると、ファインダーの中心に上下左右に180度範囲の景色が封じ込められた円が映し出される。「180」の名に恥じない。ほとんど視界の端から端までが球体に映し出される感覚である。
ちなみにカメラを片手に持ち、もう一方の手を思いっきり横に伸ばしてみると、画角の一番端に指が写る程度には画角が広いので、自分の体の一部が写ってしまうこともしばしば。
肝心の機能面は、絞り・焦点距離は完全にマニュアル操作である。リングを回して両者を調節しなくてはならないので、ピント合わせはかなりシビア。
絞りはF4からF22まであるので、焦点深度でかなりいろいろと遊べるはず。絞りきってしまえばかなり長い間シャッターを開けておけるだろう。
中心部であればかなりしっかりとした解像感がある。全周魚眼に外周部の解像感を求めてはいけません。
全周魚眼の魅力はなんといっても、普通のレンズでは捉えきれないものを同時に写し込むことができることだろう。
しかし、ファーストクラスって名前のマンションの道を挟んだ隣がラブホテルって考えられます?
そんなわけで、レンズのバリエーションが少ないXマウントの救世主、「MADOKA180」は安原製作所さんから販売中。ソニーのEマウント対応版もありますよ。