映画『四畳半タイムマシンブルース』はいいぞ、という話

なんてったって3週間限定ロードショーですからね、とにかく少しでも気になったら劇場に行くべき作品ですよこれは。

これまでにそれなりに多くのアニメを見てきたと思うんだけど、一番好きなアニメはなにか?と聞かれた時に、最初に思いつくのは『四畳半神話大系』かもしれない。
Netflixで見たのが最初だけど、結構短期間で3周くらい見返してしまったし、原作小説ももちろん読んだ。ネトフリに戻ってこないかなあ。Disney+は契約する気ないんだけど…

で、その『四畳半神話大系』の続編…正確には続編ではないと思うが、便宜上続編である『四畳半タイムマシンブルース』の小説が発表になったのが2020年のこと。

そして『四畳半タイムマシンブルース』の映像化、しかも映画で!というのは四畳半主義者にとって本当に待ちわびた展開だった。2年待ったからね!

ボロいクーラーのリモコンを巡ってタイムマシンで昨日と今日を行ったり来たり。
原案はヨーロッパ企画の『サマータイムマシン・ブルース』であり、それを『四畳半神話大系』の登場人物に置き換える形で森見登美彦が小説化したのが『四畳半タイムマシンブルース』なのである。
しかしまあ、元の話を書き換えたとは思えない、本当に自然というかなんというか。

『四畳半神話大系』を見たことがある人にはクスッとくるネタがちりばめられていたり、原作小説には登場しないシーンが蛇足でなく登場したりと「さすがわかってる!」と言いたくなるようなシーンが盛りだくさん。
四畳半世界をまったく見たことがない…という人にはちょっと取っつきにくいかもしれないけど、ちょっとでも好意的な感想を持ったのであれば、あまりに素晴らしい作品に仕上がっていると言えるだろう。

自分としては、やっぱり明石さんの可憐さですよね。明石さんを好きでない男が存在するのだろうか、いやしない。と思うほどには、明石さんが輝いている。明石さん、五山の送り火を見に行こう。
そして小津と「私」との古本市での取っ組み合いのシーン。小津が『四畳半神話大系』で繰り返されるとある言葉を「私」に投げかけるのを見て、なぜか涙が出そうになった。小津なりの愛ですわい。

そして『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』でも主題歌を担当しているASIAN KUNG-FU GENERATIONの主題歌、『出町柳パラレルユニバース』も本当に素晴らしい。
エンディングで流れるのだけど、安心感がすごい。

そんなわけで、全てが奇跡的なバランスの上に成り立っている『四畳半タイムマシンブルース』の劇場公開はあと1週間ちょいなので、すぐさま観に行くべきだ。僕ももう1回くらいは観に行く。

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