四畳半タイムマシンブルース

ここ1,2年で出会ったアニメの中で最も自分にハマった作品が、森見登美彦さん原作の『四畳半神話大系』である。
Netflixで存在を知って、1クールのアニメをたぶん3周くらい見返していると思う。調べてみたら10年前のアニメ作品なのだった。見つけられていない名作というのはあるものだなあ。もちろん原作小説もKindleで読んだ。
しょーもない大学生活を送る「私」と、その学生生活をダメにすべくまとわりつく「小津」、たぶん全人類が好きになるであろう「明石さん」、そして謎の師匠こと「樋口清太郎」が織りなす、大学生活と青春とドタバタ劇を眺めるのは本当に楽しい。

そんな『四畳半神話大系』の続きではない続編、『四畳半タイムマシンブルース』が発売された。いやはや、まさか続編が読めるとは思ってもみなかったのだけど…

水没したクーラーのリモコンを求めて昨日へGO! タイムトラベラーの自覚に欠ける悪友が勝手に過去を改変して世界は消滅の危機を迎える。

そして、ひそかに想いを寄せる彼女がひた隠しにする秘密……。

森見登美彦『四畳半タイムマシンブルース』特設サイト | カドブン より

というわけで、『四畳半神話大系』の登場人物達が、タイムマシンを使ってあーだこーだやるという、続編と言えば続編、だけど明確なつながりはないという、そういうお話。
『四畳半神話大系』自体が並行世界をテーマにしたものだったから、こういう形の続編も違和感なく存在できるというのはうれしいですなあ。

物語の核心をネタバレせずに感想を述べるのがものすごく難しい作品だったのだけど、「タイムパラドクスものってこれで解決していいんじゃない?」という解を見せられてしまった気がする。

あ、あと、本作においてもやっぱり「明石さん」が魅力的であった。今回の明石さんは「映画サークルでポンコツ映画を量産する」という人物になっている。
『四畳半神話大系』においてポンコツ映画を制作している私と小津のことを理解できてしまう(でも城ヶ崎へのヘイト映画には理解を示さなかった)明石さんと、本作の明石さんが地続きなことが感じられて、なんだか嬉しくなってしまった。

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