クリストファー・ノーラン最新作「TENET」観てきた(ネタバレなし)

このご時世であっても、劇場に見に行かないと気が済まない映画というのはたまにあるよね…その一本がクリストファー・ノーラン監督最新作の「TENET」だ。
クリストファー・ノーランの作品は外れがないというか、とりあえず今までに見た作品の中に外れがない。

バッドマン3部作もおもしろかったし、宇宙SFでは「インターステラー」もよかった。「インセプション」では夢の世界を映像化。ちょっと毛色は違うけど「プレステージ」も大好きだ。

参考 映画『TENET テネット』オフィシャルサイト

評価

映像
(5.0)

SF
(4.5)

わかりやすさ
(2.0)

わかんなくても楽しい
(5.0)

音楽めっちゃ良い
(5.0)

総合
(4.5)

そんなわけで、最新作の「TENET」である。
「インターステラー」では極端に強い重力場によって時間の進みが遅くなる(正確にいえば通常の重力場にいる人に対して、強い重力場にいる人の時間の進みは相対的に遅くなる)…という現象が描かれていた。そういえば「インセプション」でも夢の中と現実世界は時間の流れが違った。
それに対して「TENET」は「エントロピーが減少すると時間が逆戻しになる」という話である。なんのこっちゃ。冒頭で「考えるな感じろ」みたいなセリフがあったので、映画を観るとりあえずの心構えとしては「時間が逆行するんだなあ」くらいでいいんじゃないでしょうか。

とにかく映像を見ていて楽しい

時間の逆行がテーマ、しかもクリストファー・ノーラン作品となったら「一体どんな映像の盛り合わせが来るんだろう」と期待していたんだけど、しっかりと期待以上だった。

予告編にもあるカーチェイスのシーンでは、順行する車にバックの状態で並走する車が現れ、ひっくり返っていた車が元通りに戻り…これ、どうやって撮ってるの???という映像が目白押し。
まあ、その辺はCGなんけどさ、どうやったらそんな発想が出てくるんだ?という映像が次々に流れてくる。「映画ってすごい!」と手放しで楽しめる。

一度では理解が追いつかない!

とにかく映像に大きなインパクトがあるのだけど、ストーリーの複雑さがそこに乗っかってくる。キャストのインタビューを読んでも「撮影中監督に何度も質問した」との証言がある。
特に終盤に向かうにつれて、話はどんどん複雑になっていく。主要人物が時間を逆行したり順行したり。それだけならまだしもこの人は何日前まで逆行、この人はもう1日逆行など、あ、やっぱり順行しますね…もう収集がつかない!カオス!あのストーリーを一発で完全に理解できる人はなかなかいないんじゃないかと思う。

でもまあ、それでいいんじゃないかな。すべてを理解できると思うのがおこがましい。完全に理解はできないけど、なにかすごいモノに触れている、ってのも悪くない。
完全に噛み砕いて理解できなくても、おもしろいものはおもしろいのだ

サントラめっちゃいいじゃん

また、全編通してBGMがめちゃくちゃカッコいい。「逆行」がテーマだからか、所々に逆再生と思われる音声が挿入されている。
どのシーンもピタッとはまるBGMが流れているので、否応なしにテンションも上がっていくというものだ。

サントラ買おうかなーと思っていたら、各サブスクリプションサイトにすでに配信されているらしい(各種サントラ配信サイト)聞き直してもやっぱりカッコいいので、すでに鑑賞した人は是非に。

しかしサントラで言うと「オデッセイ」はひどかった…

混乱するのも楽しい

いろいろと書いてきたのだけど、僕はこの映画を観ながら混乱していたんだと思う。頑張って追っても掴みきれないストーリー、とんでもない映像、テンションの上がるサントラ、それが映画館の大画面で流れるのだから、それはもう2時間半あっという間だよね…
でも、それが楽しいのだ。ものすごい情報量の中で、必死に映画に食らい付くというのは、それだけで楽しい経験だと思う。

いや、時間が許すのであれば、もう一度劇場で見ておきたい作品だなあ。2回目はそこまで混乱しないで追えるのだろうか。

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