記事を書く・公開する事への責任について考えてみた

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要約

百度(バイドゥ)による記事削除への圧力と、とある公人・報道機関の情報発信への覚悟の足りなさについて。

まだShimejiで変換してるの?

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記事削除への圧力とどう渡り合うか

記事を書く・公開すると言うことはそれなりに責任を伴うことである。他人の名誉を傷つけるようなことを書けばそれなりの対応をされるだろう。もしかしたら訴えられるかもしれない。
それはなんらかの言説をネットであったり世間に公開するためには絶対に負うべき責任である。

しかし、それを悪用した事件が起こった。*1

d.hatena.ne.jp

こちらの記事は、Baiduが提供するBaidu IMEとスマートフォン向けIMEのShimejiで、情報が不正に送信していた件に関するかなり詳細な時系列まとめなのだけど、これに対してBaiduが「名誉毀損、業務妨害」であるとして、ブログサービスのはてなに削除申し立てを行った…というのがネット上の一部界隈で話題になり、炎上しかけたところで削除申し立てが取り下げられてとりあえず一安心というお話。

さて、この件を読んでいると思い出すのは今年3月に起こった、ネット炎上対策騒動対策会社、株式会社DYMのタイ社員旅行・全裸乱痴気騒ぎの際のDYMの対応である。

タイ全裸の株式会社DYMが評判の隠蔽に使った7つの手法 by @tsuj

まあ、こちらはほとんどチンピラみたいなやり方で恫喝をしたり、無駄なDMCAを申請しまくったりして悪評隠しをした…ということなので、悪質度から言ったらまあBaiduの方がなんぼかマシかなあと思うくらいなのだけど。

情報発信には覚悟が必要だ

Baidu圧力事件に話を戻すと、個人ブログに対して圧力をかけて削除させようとしたというとんでもないお話である。
結果的にTwitterで拡散されたことでBaiduが削除申請を取り下げたのではないかと想像する。

この件に関して誰が悪いのかと言えば圧倒的にBaiduである。
一部「はてなの対応が弱腰だ」という批判もあったけれど、削除申請があったことをユーザーに知らせるのは当たり前のことで、さらに「権利侵害に該当しないため、削除に同意しない場合は詳細な理由」を説明すればいいとのことなので、ちゃんと説明をすればある程度は守ってくれそうだ。
なにも説明をしないのであれば削除するというのはある程度理にかなったお話で、常識的な企業であるといえる。
削除依頼をただ放置するだけであれば2ちゃんねると同じだ。

個人ブログだったりSNSをやる、さらにクリティカルな内容を書こうという場合はそれ相応の覚悟が必要なのだ。サービス提供者が無条件に自分を守ってくれるわけではない。
もし守ってもらいたいのであれば、少なくともクリティカルな部分に関しては論拠が必要だろう。

翻って公人・報道機関は…

そんなことを考えていたのは数日前。だったのだけど、2016年6月17日にひどいニュースがふたつ流れてきた。

www.asahi.com

www.buzzfeed.com

上は菅原一秀衆院議員がネット上のデマをそのまま切り取ってブログに掲載した問題。下は産経新聞がネット上のデマをそのまま報道してみたという問題。
どちらにしても裏も取らずに、ただ感情にまかせて記事にしてしまったという感じだ。産経新聞に関しては「貴団体にも取材すべきだったにもかかわらず、これを怠っておりました」などという報道機関として致命的なことを言っている

公人と報道機関が揃いも揃ってまとめサイトやSNSを元ネタにして、裏取りもせずに情報を発信しているという残念さは計り知れない。

個人ブログが覚悟を決めなくてはいけないのに、情報発信力がある公人と報道機関がこの程度ではなあ…
まあ、下手に守ってもらえるからこういう覚悟もなにもない情報を発信してしまうんだろうけど。

情報の正誤を見抜くには

正誤を見た瞬間に判定できる情報というのはそんなに多くない。
言及されている事象についてある程度の知識があればそれも可能となるだろう。しかし、「ある程度の知識」というのが厄介である。
下手に「自分はこれについて知っている」という認識を持っていると間違った判断を下すことになる。先のふたつの問題はその間違った認識によるものであろう。

かつて「嘘を嘘と見抜けないと(掲示板を使うのは)難しい」と発言した男がいたようだが、それに付け加えたい。
何でも見抜けると思ったら大間違い。情報発信をしようと思えば、地道な下調べが必要なのである。

*1:たぶん同じようなことは話題に上がらないだけで起こり続けているんだろうけど。

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