理系の人々が、博物館デートで気をつけた方がいい3つのこと

デートでマウンティングするんじゃない

あなたが博物館に行くことがあったら、展示だけでなく周囲の会話にも聞き耳を立ててみてほしい。
やけに偉そうな説明口調が聞こえてきたら、そっとそちらの方に目をやってみよう。きっとドヤ顔の彼氏と無表情な彼女を見ることができる。

不思議とドヤ顔彼女と無表情彼氏というのはあまり見かけない。理系の男女比率の問題なのかはわからない*1

楽しいはずの博物館に流れるカップルの微妙な空気が嫌で仕方ないので、博物館デートで注意すべき点を3つ挙げてみる。

偉そうな説明口調はNG

知識を偉そうにひけらかすというのはデートで避けるべき行為の筆頭である。
いや、下手に知識をひけらかすことは、ほぼ間違いなく無表情を誘引する。

自分がわからないことを質問したら偉そうな口調で返されるのは、そもそも不愉快なものである。
それを自分のホームグラウンドである博物館に、アウェーの彼女を迎え入れて大威張りをするというのはかなり情けなくもある。

「え、これ知らないの?」「学校で習わなかったんだ」「常識じゃん」などのマウンティングは御法度である。
これがなんで御法度なのかわからない人は、おそらく自分が原宿辺りの古着屋に連れて行かれて、上記のセリフを言われる想像してみてほしい。ね、地獄でしょ?

ちなみにこのタイプは、お台場の日本科学未来館、物理コーナー辺りに多い気がしている。

少しは噛み砕け

「これってどういうこと?」「これってなに?」という問いかけに対して、説明書きと同じ難易度の言葉をドヤ顔で語ることに何の意味があるのだろう。
読んでも専門用語が多いからよくわからない…という相手が自分を頼ってくれているというチャンスに、それを噛み砕いて説明しないというのは残念ですらある。

例えば、カミオカンデの模型を見て「これってなに?」と聞かれたときに、「ニュートリノを観測するための装置」とか答えても相手は納得しない。だって説明書きを読んだ上でその質問が来ているということは、ニュートリノがなにかわかっていないということなのだから。
ニュートリノについて「中性レプトンの名前で…」などといきなり熱弁するのも避けた方がいいだろう。そんなことを口頭で説明されてもわからないし、さらにわからない言葉が増えるだけだ。

僕が考えるちょうどいい塩梅の答えは、
「ニュートリノという、星が爆発したときに出てくる素粒子を観測した機械」くらいのものだろうか。あとは小柴昌俊さんのノーベル賞の話を追加すればいいだろう。
向こうが興味を持ったら、どうやって観測するのかを噛み砕いて説明すればいい。

間違っても「水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置」などと言ってはいけない。
もうその場で帰られても文句は言えないと思う。

下手に知ったかぶりをしない

上ふたつの項目とは少しジャンルが違うのだけど、自分が頼られていることに気をよくして、自分の専門分野外の事に勇み足で突っ込むのはやめておいた方がいい。

僕は生物系の勉強をしてきたので特に思うのだけど、明らかに間違ったことを偉そうに説明してる人の多いこと多いこと。
だって、ダーウィンの進化論の展示の目の前で「高いところの葉っぱを食べるために首の長くなったキリン同士の子供が…」なんて言ってるんだもの。

ダーウィン

「それはラマルクの用不用説だ!」とツッコミを入れてやりたいところだけど、完全に変な人扱いをされるのでぐっと言葉を飲み込んだりする。

わからないこと、わからないものに関しては素直にわからないというべきなのである。
おそらくラマルクやダーウィンに関しての間違いが後々露呈することはないだろうけれど、それを押し切っちゃうと言うのは理系として間違ってるんじゃなかろうか。

ちなみに、僕も物理に関しては完全に門外漢なので、上記のカミオカンデに関する説明が正しいのかどうかビクビクしている。

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以上、博物館デートで気をつけるべき事3点である。
周りの会話を聞いているとあまりにもこういう事例が多いので書いてみた。これらのことが守られることで、周りの人達も心の平穏が保てるので、是非とも参考にしていただきたい。

かくいう僕はこの3点を守れているのか…非常に微妙なところである。

この記事で使用したイラストは「いらすとや」さんからお借りしました
いらすとや

*1:理系女子と付き合う男はMが多いからなんじゃないかと思っている。偏見。

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