10月28日、待ち望んでいたPixel 6 Proが手元に届いた。
Tensorチップを搭載し、ソフトウェアだけでなくハードウェアもいい感じにスペックアップして、フラグシップのPixel!やったぜ!という感じ。
まだ一週間しか使っていないけれど、使ってみた感想を記録しておこうと思う。
ポジティブなポイント
Tensorチップに死角なし
まずはTensorチップに触れずにはいくまい。今回のPixel 6シリーズの目玉であるところのTensorチップはGoogleが独自に開発したという。
どうもベンチマークテストでは「Snapdragonのハイエンドチップよりも下」みたいな数値が出ているみたいなんだけど、本当に大事なのって実際に使ってみてどうなのかだよね。ベンチマークの数字って一部のガジェットオタクしか気にしてないし。
実際に使ってみた印象として、すごく隙がない性能だと思う。
バリバリに3Dゲームをやります!ということでもなければ、チップの最大処理能力というよりも、安定して動作し続けるというのが重要なポイントになってくる。
ブラウジングをし、YouTube Musicで音楽を聴き、Netflixで動画を流し、Kindleで電子書籍を読む…その動作をある程度高性能に、安定して行えるというのが重要だ。
その点においてTensorチップは、120 fpsという高フレームレートのディスプレイを動かしながら上記の動作を完璧に行える。アプリ間の切り替えや画面分割での操作もなんの問題もなくスムーズそのもの。
やはりTensorチップであるということ、そしてPixelシリーズ最大のメモリ12 GBというところが大きいだろうか。
一部において「発熱がひどい」との話があったけれど、そこまで発熱している…とは思わない。
ほんのり温かいけれど、持てないレベルではないし、ある程度の性能を追求したチップを搭載していたら、そこそこ熱は出るでしょうに。と思う。そんなに発熱が嫌ならミドルレンジを使えばいいのだ。
カメラ機能がおもしろい
Tensorチップに並んでPixel 6 Proのストロングポイントとなっているカメラ機能については、前評判に違わぬ実力を見せてくれる。
超広角・広角・望遠という三種類のレンズを搭載した+超解像ズームということで、0.7倍から20倍までの倍率変更ができる。20倍超解像ズームは「写真」としては微妙な部分があるけれど、便利な機能ではあると思う。いつ使うかは難しいけれど。
ちゃんと網目まで解像している。これ、スマホなんだよなあ…すごいなあ…
なんの補正をしなくても、目で見たのとかなり近い色合いの写真になった。
そこそこの風が吹いている中で揺れるススキを撮ってみたのだけど、ピントが割とあっている。
一眼カメラで撮ったら失敗写真だけど、スマホとしては大健闘。
長時間露光もできる…のだけど、普通のカメラを使っているときの感覚とは違って、実際に長い間シャッターを開けているというよりは、動きを予測してブレを作り出している感じ。
カメラ好きにはちょっとだけ違和感があるかも。しかし手持ち撮影でラフにとってこれなら素晴らしい。
動画機能に関してもなかなかおもしろい。手ブレ補正が結構効いていて、ピタッとした動画を撮れていると思う。
4K 60fpsでの撮影時には10分ほどで本体が高熱になってストップする…という話も出てきているけれど、うーん、それはスマホだから…
指紋認証はかなり良い
画面内指紋認証が搭載されたのもPixelシリーズ初の試みである。マスクが手放せない時代に指紋認証ができるのは本当に便利である。逆に顔認証は非搭載。
認証の精度と速度についてはかなり良いと思う。よほど変な指の当て方をしなければ失敗することも滅多にないし、速度も上々。0.5秒もかからない感じかな。
喩えをいろいろと考えたのだけど、改札に交通系ICをタッチする感覚に似ているかもしれない。落ち着いてタッチすればしっかりと認識してくれる。
ネガティブなポイント
バッテリーライフに関してはアップデートを期待
基本的には大満足のPixel 6 Proに唯一不満があるとすれば5,000 mAhのバッテリーを持ちながら、意外とバッテリー持ちがよろしくないなあ…という感じ。
通勤時にYouTube MusicとPokemon GO、休憩時間にNetflixを見て…と割とヘビーに使っているのだけど、帰ってくると20%くらいまでに減ってしまう。全然大丈夫なラインなんだけどね。
でも、もうちょっとだけ頑張ってほしかった。とりあえず、アップデート等で改善を期待したいなあ。
と思っていたんだけど、もしかしたらこれ、楽天モバイル運用で、職場が電波状況の悪い建物だから…という気がしてきた。家でのバッテリー持ちと仕事に行った日のバッテリー持ち、だいぶ違っている気がするし…要検証。
音声認識は正確。翻訳に関しては精度が確認できず…
発売時からストロングポイントとしてあげられていた音声認識と翻訳に関して。確かに音声認識は非常に速い、そして正確だ。ただし、この機能を実生活で使うタイミングが今のところ発生していない。ので翻訳精度もちょっとよくわからない。使えるタイミングが合ったら積極的に使いたいところなんだけど。
また、音声認識を端末上で処理するので、Google assistantの待ち時間が他のスマートフォンよりも短いことが実感できる。「電気を付けて」「電気を消して」であったり、タイマーをかける際の「○○分後にタイマーかけて」という音声コマンドの処理がとにかく速い。話しかけた後の「音声を認識しています…」の待ち時間がほぼなくなっている。
地味だけどこれはQOLをあげてくれるポイントだ。
真にスマートになったスマートフォン
今までのスマートフォンは「常に持ち運びできる、インターネットにつながるデバイス」という位置づけだったと思う。
スマートフォン登場以前は、フルブラウザを使うだけで別途月額料金が取られていた時代があったのだ。パケホーダイでも、フルブラウザだけは別料金、とか。それが常にネット接続ができる端末をみんなが使い始めた。そしてそれが当たり前になったというのがスマートフォンの功績だ。
多種多様なセンサーでユーザーの周囲の情報を収集し、そこからサーバーとやり取りをし、結果を表示する。それがスマートフォンの基本だったのだ。それ自体が革命的に新しかった。
Pixel 6シリーズはそこに「端末自体がスマートになったら?」という新しい視点を持ち込んでくれる…そんな可能性を感じている。
もちろんここがゴールではなくて、さらに進化をしていくのだろうけど、その新しいスタートラインは見えた…と思わせてくれるスマートフォンだ。
Pixel Pro 6を誰に勧めるか?と聞かれたら、とにかく新しいものが好きな人に進めたいと思う。ここからのアップデートでどの程度変わっていくのか。いろいろと期待しておりますよ。