そういえば(2015年11月6日)に発売されたビートルズのベストアルバムについて書いてなかったことに愕然としている。書かねば。
全曲やると長くなりすぎるので、2009年に出たリマスター版と比較する形で、「1」の2015年版で特に変化があった、もしくは思い入れのある曲についてレビュー。
Can’t Buy Me Love
出だしからだいぶ違うマスタリングに。ギターをはじめとした楽器の音がフィーチャーされ、音に厚みが!
A Hard Day’s Night
マスタリングには大きな違いを感じません。
それにしても
When I’m home
Everything seems to be all right
When I’m home
feeling you holding me tight
この歌詞最高すぎませんか?ラブソングの到達点のひとつじゃないかな。
Help!
新しいリマスターになればなるほど音は大きくなる傾向にあるけど、この曲ではシンバルの音が若干小さめに。
We Can Work It Out
アコーディオンの音圧が上がっております。
しかしまあ、この曲をどうしたら「恋を抱きしめよう」という邦題になるのかが理解不明なんだよなあ…
Paperback Writer
とにかくかっこいい曲。
ステレオミックスがだいぶ変わっていて、2009年版ではギターが完全に左から聞こえていたのが2015年版では中央に。
ドラムの音もだいぶクリアに聞こえる感じ。
Yellow Submarine
ステレオミックスが一変。右から聞こえていたリンゴのボーカルが中央に!
Eleanor Rigby
2015年版でもっとも聞くべきだと思うトラック。収録されていた「Revolver」が実験的なアルバムだったこともあり、極端なステレオミックスがされていたのだけど、2015年版では中央寄りのスタンダードなミックスに。
ポールのボーカルが右に行ったり中央に行ったりしていた忙しいミックスから、安定した中央ボーカルになって聞きやすさ向上。
極端なステレオミックスも「Revolver」の魅力のひとつだけどスタンダードで聞きやすいバージョンもいい。
Get Back
ベースの強さが際立つ。バンドサウンドへの回帰というテーマに合ってる!
Let It Be
ジョンがベース演奏している曲でもベースの音圧は上がっている。
全体的な傾向
とにかく音圧が強くなっていて、ベースの音がだいぶはっきり強まっている印象。
そしてステレオミックスが良くも悪くも「普通」になっている。
2009年版では右からだけとか左からだけというミックスが多かったのが、2015年版は全体的に中央寄りに。
原点は2009年版の左右がはっきりとしたミックスだったわけで、2015年版で聞きやすさは確実に向上したといえるし、ビートルズっぽさが薄れた、とも言える。
ただ薄れても個性的な曲であることは変わらないし、ビートルズをこれまで以上に広めるのであれば、スタンダード化が必要。ということなのでしょう。
ビートルズの入門編としてもすごく優れた選曲だと思うし、聞き込んでいる人にはこれまでのリミックスとの違いを発見する…ような楽しみ方もできるはず。
聞く度になんらかの発見があるCDになっているし、これが今のビートルズのベスト盤だと思う。