「匿名クラブ」の記事に関するあれこれ

Anonymous

Photo by Thomas Leth-Olsen

なんだか、胸がざわめくような記事があったのでつらつらと。

LINE巨大グループ「匿名クラブ」 トップの少年の素顔とは? – withnews(ウィズニュース)

公共施設に現れたのは、拍子抜けするほど純朴そうで小柄な少年だった。パーカ姿で「よろしくお願いします!」とペコリと頭を下げ、県立高校に通っていることや、運動部の練習を早退したことを、丁寧な言葉遣いで明かしてくれた。

ツイッターのアカウント「ひもてぃー」のフォロワーは7万人弱、ほかにもアカウントは10個以上。その一つのプロフィル写真は、素顔を白い仮面で覆い、長い髪に白装束の胸元など、怪しげな雰囲気を醸し出す

LINEの匿名グループのとりまとめ役の少年に関する記事。


まずこんなコミュニティーが存在してたということに驚く。LINEって基本的にはリアルでの知り合いとのコミュニケーションに使うとか、ある程度身元が分かる人との交流に使うものだとばかり思っていたよ。

さて、25000人が参加するLINE匿名グループのとりまとめをしている高校生、彼に実際にあった感想は『拍子抜けするほど純朴そう』と述べられている。
県立高校に通い、運動部に所属する。これだけならばどこにでもいそうなプロフィール。いくらでも同じ経歴を持つ人がいるように思う。

ところが彼のTwitterは『素顔を白い仮面で覆い、長い髪に白装束の胸元など、怪しげな雰囲気を醸し出す』。

実際に会えばあいさつもできる純朴な(もしくはそう見える)少年、一転してネット上では謎のプロフィール写真、そして25000人が参加するグループのとりまとめ。
一見そこに二面性が見える気がしてならないのだけど…

見える気がする二面性についての(しょうもない)考察

「学校での私の地位は『中の下』ぐらいかと。だからネット上で別人格の構築を目指すんです」

スクールカーストについての話がなされて、そこにおいての自分の立ち位置を『中の下』と表現している。
運動部に所属している…というだけで、もうちょい上のランクにいるんじゃないかと想像するのだけど、まあそれはいいとして。
ここで気になるのは『ネット上で別人格の構築を目指す』の部分。

『ほかにもアカウントは10個以上』との記述がある。Twitterのアカウントを10個以上所有している知り合いが周りにいないのでなんともいいがたいけど、おそらくそれぞれに役割があるのだろう。
それはきっと
その1、匿名グループのメンバーに向けたメッセージを流すアカウント
その2、リアルでの知り合いに向けたアカウント
その3、リアルでの特に仲の良い友人に向けたアカウント
その4、ネットでの知り合い向けアカウント
などの役割であると予想する。
そしてその役割にあった相手をフォローし、書くことを考え運用しているのだろう。

しかし、ここまで多岐にわたってアカウントを管理するというのは本当にマメな人なんだなあと感じる。
僕も過去に最大で4つのアカウントを持っていた。本来のアカウントと、投稿規制時用のアカウントが2つ、リアル用のアカウント1つ。
しかしすぐにめんどうくさくなってしまう。リアル用のアカウントなんて、10ツイートもせずに消したはずだ。

そんな無精な僕からみれば、彼は恐ろしいほどにマメだ。フォローするアカウントを考え、投稿する内容も変える。僕には絶対にできない。
この「とにかくマメである」という印象は「あいさつができて純朴に見える少年」という実際に会って記者が抱いた印象とそこまで相反するものではないんじゃないだろうか。

つまり記事を読んで感じた「二面性」は読む側(もしくは書く側)の気のせいであって、彼の性格というか特質というの一貫しているように感じられる。
おそらく彼は『別人格の構築』をしていると表現していて、それが若干の「危うさ」みたいなものを感じさせるのだろうけど、実際に自分が考えていることをストレートに出しているのがネットでの言動で、むしろ現実での彼の方が気を遣って人と接しているんじゃないかと勝手に想像する。
間違ってたらごめんなさい

ちなみに記事の中に『タイムラインは、「死ね」「殺す」といった過激な言葉で埋まる』という一文があるのだけど、


との言葉通り彼自身はそんなに過激な発言をしているようには感じられない。フォローしてる人がどうなのかは知らないけれど。誤解を生みそうな記述であるなあ。

実際はどうなんでしょうね

上記の7万人のフォロワーがいるアカウントを見に行くと次のようなつぶやきが

どうも、あの記事は彼の考えていることや話をストレートに記述できてないし、記事に付いているコメントなんかも的外れなのかもしれない。
宗教的なイメージはアイコンが一因なんじゃないかと思うところもあるんだけど…

どうしても否定的なコメントが多くなる原因はおそらく、


彼の懸念と同一のものだろう。
人というのはとにかく「わからない」ものに否定的になりがちで、特にそれは若者に対して顕著だなあと思う。

今回この記事を書くに当たって彼のつぶやきを少しばかりさかのぼってみたのだけど、とにかくマメな、それでいて仲間意識が強い人なんだなあという印象を受けた。
無精で人との付き合いにわりと消極的な僕とはまったく逆ベクトルの人だし、「フォロ爆」であるとか、組織を作ろうとする感じは相容れないのだけど、ネットに誰が読むとも知れない文章(しかも露悪的)を公開する僕と、彼の間に決定的な違いがあるとはどうしても思えないのである。

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