Nothing Phone (3)一週間レビュー…フラグシップ≒ハイエンド

新しいスマートフォンというのはワクワクするものです。それが特にNothingの新作であれば…!
8月28日にNothing Phone (3)が発売になったので、さっそく手に入れて使っています。いろいろあって使い始めたのは8月31日だったのだけど、そこから一週間。めちゃくちゃ満足しています。

見た目やスペック

外観はこんな感じ。背面は、これまでの光の帯であるGlyph InterfaceからGlyph Matrixへと変更され、文字やアイコンを浮かび上がらせられるようになった。
Glyphの違いだけでなく、今回からデザインのテイストも変わっていて、それに関して一部の海外ユーザーからは不満の声もあるようだが、個人的にはめちゃくちゃかっこいいと思っている。

Glyph Matrixでできること

現状そこまでの拡張性はないのだけど、もちろんNothingなのでアプリ開発ができるようになっているので、これからユーザーによる開発が盛り上がっていくはず。

こうして時間を表示することができるのは結構便利。基本的に常時表示にしてます。

こちらは日時計機能。なんとなく時間がわかればいい方はこれもおもしろい。

ストップウォッチ機能もあります。この前これでカップ麺を作りました。

他にもコンパスや、サイコロ機能などちょっとした機能が既に公開されている。

実用的な使い方としては、特定のアプリからの通知、特定の文言が含まれている通知が来た際に、アイコンを表示させる…という「Essential通知」という機能がある。
特定の相手から来た連絡のアイコンを変えることで、スマホを裏返していてもすぐにレスポンスを返すことができる。これも結構便利だ。

処理能力は1世代前のハイエンドに近い

Nothingのフラッグシップスマホとして登場したPhone (3)は、Snapdragon 8s Gen 4を搭載。これについても「最強のSnapdragon Eliteじゃないのか」というツッコミが散見されたのだけど、これはハイエンドとフラッグシップの取り違えによる批判だと思っている。
「ハイエンド」として発売するならもちろん最新最強のCPUが搭載されるはずだけど、「フラッグシップ」はメーカーとして「やりたいこと」を詰め込んだプロダクトだ。必ずしもCPUをゴリゴリ強化することがNothingのやりたいことではない。

そのうえで、あまり意味はないとは思いつつも、AnTuTuベンチマークを回してみた。

機種名総合スコアCPUスコアGPUスコアメモリスコアUXスコア
Nothing Phone (3)1938970457642753488434867292973

スコア200万点に少し届かないくらいなので、2024年のハイエンド端末とだいたい同等の処理能力といえる。
最強の処理能力、というわけではないけれど、ある程度重いゲームでもしっかり動かせるくらいの処理能力は持ち合わせていることがわかる。

詳細なスペックはだいたいこんな感じ。防水防塵もしっかりクリアし、日本版ではFeliCaにも対応してくれた。これによってメインスマホとして問題なく使える。

端末名Nothing Phone (3)
OSNothing OS 3.5(Android 15ベース)
CPUSnapdragon 8s Gen 4
メモリ/ストレージ12GB+256GB、16GB+512GB
ディスプレイ6.77インチ 有機EL(2,800×1,260、120Hz)
バッテリー5,150mAh(有線65W/ワイヤレス15W/逆充電7.5W)
カメラ背面:5,000万画素(メイン f/1.68)+5,000万画素(超広角 114° f/2.2)+5,000万画素(望遠 光学3倍 f/2.68)
前面:5,000万画素(f/2.2)
防水防塵IP68
生体認証指紋認証・顔認証
SIMNano SIM/eSIM対応
NFC/FeliCa日本版対応
重量約218g

AI対応が完璧

Nothing OSのAIへの対応は本当に完璧というか、お手本と言ってよいくらい快適だ。

ChatGPTアクション

たとえば、ChatGPTとの連携…と聞くと「ChatGPTとワンタップでおしゃべりできるボタンかな」と思うかもしれない(実際、そういうウィジェットはある)。でもNothing OSはそれだけではない。

本当に、本当に些細なことなんだけど、「ChatGPTアクション」という機能がある。
これは文章をコピーしたり、スクリーンショットを撮影した場合に、その文字列やスクショをChatGPTに貼り付ける機能だ。

このボタンを押すとコピーした文言がChatGPTに貼り付けられる。
「コピペして貼り付ければいいじゃん」という話ではあるが、「コピーする→アプリを切り替える→ChatGPTを開く→貼り付ける→指示を書く」という工程を、「コピーする→ボタンをタップ→指示を書く」へと省力化できる。スクショに関しても同様だ。

これ、他のスマホメーカーでやっているところはあるだろうか?機能としてはまったく簡単だと思うが、あるのとないのとではAI体験に大きな差が出ると感じる。

ちなみに1個下のボタンを押すとQuick Shareで近くのデバイスにこの文字を送ることができる。スマホとパソコンを跨いだ作業をする人にはものすごく便利だと思う。

Essential Space

これもAI対応として拍手ものなのだが、「Essential Space」が楽しい。
電源ボタンの下に独立ボタンがあって、このボタンを押すとその場でスクリーンショットを撮影。そのスクショを元にAIが動作する。
撮影されたスクショはAIが読み取って、簡単なまとめを作成してくれる。チケットを購入したメールをスクショすると、勝手にEssential Space内のTodoリストに追加してくれたり、設定によってはGoogleカレンダーに予定を入れることもできるのだ。

こんな感じでまとめを作成してくれる。

他のAIでも似たようなことはできる気がするんだけど、これもワンタップですべてが完結する――というのが美しい。
正直、完璧な機能として動作するかというと微妙な部分はある。要約もたまに「?」となることは正直ある。
それでもワクワクできる機能だなと思っている。精度が上がってきたら本当にAIアシスタントがいる生活が見えてくると思う。

カメラも結構楽しい

Phone (2a)からPhone (3)への機種変更だったのだけど、もう一つ大幅な進化を遂げたのはカメラ性能である。
ここから先はサイズ変更以外は撮って出しの画像を載せていく。

デフォルト設定だとこんな感じ。最近のスマートフォンのカメラはバキバキに明るく派手な絵作りが多いので、相対的にはナチュラルかな?といったところ。

超広角・広角・望遠の3つがすべて5000万画素というカメラにもこだわりのあるスマホへと変貌を遂げているのだ。F値もメインカメラは1.68、超広角カメラは2.2、望遠カメラでも2.68ということで、暗所撮影も快適だ。

プリセット機能が楽しい

プリセット機能を使用すれば、すぐにカメラ設定を呼び出すことができる。

これは驚いた。こんなに雰囲気のある画像をスマホでいけるんだ。

発売後にアプデで追加された「Stretch」というプリセットで撮影。

マクロ機能もある。望遠レンズを使ってのマクロ撮影になるのだけど、ディティールをしっかり捉えてくれる。

最近暑くて、重たいカメラを持ち運ぶことに億劫さを感じていたんだけど…いや、これはいいカメラだ。いろいろと試してみたくなる。

動画はもちろん4K60fpsに対応

個人的にはあまり動画を撮影する機会というのはないんだけど、4K60fpsに対応していてちょっと嬉しい。

意外だったのが手ブレ補正が結構しっかりとしているな、という点だ。
ラフにて持ちして階段を下っているのだけど、そこそこの安定感があるように見える。スマホジンバルとか使ったらほとんど完璧なのでは?

まとめ

さて、Nothing Phone (3)を一週間使ってみての最終的なまとめをしておこう。

  • デザイン: Glyph Matrixで表示の遊びと実用性が両立。個人的には大きく好み。
  • 性能: Snapdragon 8s Gen 4でAnTuTuは約200万点。重いゲームも十分に動く。
  • 使い勝手: IP68とFeliCa対応で、メイン機になれる。
  • AI体験: ChatGPTアクションとEssential Spaceで省力化。
  • カメラ: 5,000万画素×3、プリセット/マクロ/4K60fps、手ブレ補正も優秀。

スペック至上主義の「ハイエンド」ではなく、新しい体験ができる「フラッグシップ」だといえる。
すべての面が順当に進化していて、これを使ったらなにができるかな?という楽しみがある。そんなスマホです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA