ニュースを見ていると、日本有数の大企業である東芝が大変なことになっている。
タダで買収した原発関連会社がやばかった!ってなにを当たり前のこと言ってるんだ?という感じなのだけど、もはや行く末を見守るしかない。
そんなドタバタ劇の中、東芝が発売するWi-Fi転送機能搭載のFlashAirを買ってみた。
別に東芝を応援したい!と思ったわけではなく、いいタイミングで前まで使っていたEye-Fiが壊れてしまったからである。
今回購入したのはW-03シリーズの16GBモデル。Wi-Fi機能付きのSDカードは書き込みが遅いイメージがあるのだけど、ちゃんとclass10を達成しているので、SDカード単体としてもある程度の性能は確保できている。5000円くらいしたけど。
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目次
- 実際に使ってみるカード自体の初期設定を済ませ、スマートフォンアプリを用意したら、あとは写真を撮影するだけだ。初期設定はある程度パソコンを使っていれば簡単に済ませられる程度の難易度。丁寧な説明があるので、ソフトの指示通りに進んでいけば間違えることはないだろう。写真を撮影し、デジカメの電源を入れたままスマートフォンアプリを立ち上げると、スマートフォンが自動でFlashAirカードとWi-Fi接続を始める。iOSだと自動切り替えにならないそうなので、自分でWi-Fi設定を切り替える必要があるようだが、Androidならば自動切り替えだ。接続が完了すると、このような画面が表示される。デジカメで撮影した写真がサムネイルとしてスマホ上に表示されるのだ。サムネイルの取得にかかる時間はかなり短く、一瞬といってもいいくらいだ。少し前に発売されたようなスマートフォンで画像を閲覧するのと同じくらいのレベルといえる。あとはこの中から必要な画像を選んで、スマートフォンに保存するだけである。即座に共有するアプリを選ぶこともできるので、SNSへのアップなどもすぐにできる。気になる転送速度さて、一番気になる?画像の転送速度についてである。サムネイルは一瞬で取得できるが、実際にスマートフォンに保存するにはどれくらいの時間がかかるのか?というのが、使い勝手を大きく左右する。そこで、以下のような実験を行った。デジカメで40枚の写真を撮影。今回はFUJIFILM XQ2を使用する。撮影した写真を1,5,10,30,40枚転送の場合に分けてそれぞれ5回ずつ転送し、各回で時間を計測。転送が終わる度にFlashAirアプリのキャッシュを削除する。転送枚数にバリエーションをもうけたのは、「転送枚数が増えると、転送速度が遅くなる」という記述があるブログ・書き込みをいくつか見かけたからである。また、アプリにキャッシュが残っているとSDカードとの通信ではなく、すでに保存されているキャッシュから画像を取り出すようなので、毎回アプリのキャッシュを削除してから実験を行った。結果はこんな感じになった。転送枚数(枚)平均時間(s)1枚あたりの時間(s)122511.42.281023.62.363073.22.444090.82.27生データは記事の一番下にある。平均すると画像1枚につき2秒あまりで転送できるという結果になった。画像はだいたい1枚3MBくらいなので、通信速度はだいたい1~1.5MB/sといったところだろう。FlashAirはRAWデータを転送することもできるのだが、多くのカメラでRAWは20MB程度ということを考えると、1枚当たり15秒くらいかかるということになる。これが実用に耐えるかどうかに関しては、まあ人それぞれの感性によると思う。「転送枚数が増えると、転送速度が遅くなる」という書き込みであるが、画像40枚程度であればそこまで大幅な速度低下が起きるというものではなさそうだ。ただ、前の画像の転送が終わり、次の画像を転送し始めるときに若干通信がもたついているように見えることがあり、40枚転送した実験では合計時間に10秒ほどバラツキがあった。まあ、そこまで大きな差を感じるようなものではない。速いときは速いし遅いときは数秒遅れる…といった程度。そこまで心配することではないと思う。Eye-FiとFlashAirの違いEye-Fiはブランド自体がFlashAirに吸収合併されたわけだけど、このふたつの大きな違いは「全ての画像を転送すること」を前提としているかどうかである。一括のEye-Fi、柔軟なFlashAirEye-Fiは基本的に「全ての画像を転送する」というコンセプトだったのに対して、FlashAirは「選んだ画像を転送する」というのがコンセプトだ。Eye-Fiの場合、なにもしなくてもアプリさえ開いておけば全ての写真をスマートフォンに転送しておいてくれた。これは便利である反面、何枚か写真を撮ってから新しく撮った写真をスマートフォンに転送したい場合、目的の写真が転送される前に以前の写真が転送されるのを待たなくてはいけなかった。対してFlashAirでは、転送画像の指定が必要である。これによって、Eye-Fiと比べて操作手順が一段多くなるが、その分柔軟な対応が可能になっていると言えるだろう。Eye-Fiでは失敗写真が同期されるのを眺めている時間があったが、FlashAirではそんな写真は飛ばしてしまえばいいのだ。今すぐスマホでシェアしたい!という風な使い方をする人には断然FlashAirだろう。かなり前に購入したEye-Fiと、新しいFlashAirを比べるのはフェアとは言えない気もするが、通信の安定性もFlashAirの方が勝っていると感じた。まあ、Eye-Fiはもう生産されていないし、FlashAirも今後どうなるかわからないのだけど…使い方によるけど、Eye-Fi使っていた人なら、とりあえず買って損はなさそう。というのが、ここ2日間FlashAir使ってみての感想だ。FlashAir 16GBposted with カエレバ 東芝 2015-04-01 Amazon楽天市場ちなみに、FUJIFILM XQ2でも、SIGMA DP1 Merrilでも問題なく通信をすることができた。だけど、MerrilでX3Fデータを送るのはあんまり実用的ではなさそう。JPG撮って出しはあんまりよろしくないし…XQ2での運用になりそう。FlashAirテスト生データ転送枚数(枚)1回目2回目3回目4回目5回目12222251110121212102523222424306769787775408690959291もちろん時間の単位は「秒」である。
- 実際に使ってみる
- 気になる転送速度
- Eye-FiとFlashAirの違い
- 一括のEye-Fi、柔軟なFlashAir
- FlashAirテスト生データ
実際に使ってみる
カード自体の初期設定を済ませ、スマートフォンアプリを用意したら、あとは写真を撮影するだけだ。
初期設定はある程度パソコンを使っていれば簡単に済ませられる程度の難易度。丁寧な説明があるので、ソフトの指示通りに進んでいけば間違えることはないだろう。
写真を撮影し、デジカメの電源を入れたままスマートフォンアプリを立ち上げると、スマートフォンが自動でFlashAirカードとWi-Fi接続を始める。iOSだと自動切り替えにならないそうなので、自分でWi-Fi設定を切り替える必要があるようだが、Androidならば自動切り替えだ。
接続が完了すると、このような画面が表示される。
デジカメで撮影した写真がサムネイルとしてスマホ上に表示されるのだ。サムネイルの取得にかかる時間はかなり短く、一瞬といってもいいくらいだ。
少し前に発売されたようなスマートフォンで画像を閲覧するのと同じくらいのレベルといえる。
あとはこの中から必要な画像を選んで、スマートフォンに保存するだけである。即座に共有するアプリを選ぶこともできるので、SNSへのアップなどもすぐにできる。
気になる転送速度
さて、一番気になる?画像の転送速度についてである。サムネイルは一瞬で取得できるが、実際にスマートフォンに保存するにはどれくらいの時間がかかるのか?というのが、使い勝手を大きく左右する。そこで、以下のような実験を行った。
- デジカメで40枚の写真を撮影。今回はFUJIFILM XQ2を使用する。
- 撮影した写真を1,5,10,30,40枚転送の場合に分けてそれぞれ5回ずつ転送し、各回で時間を計測。
- 転送が終わる度にFlashAirアプリのキャッシュを削除する。
転送枚数にバリエーションをもうけたのは、「転送枚数が増えると、転送速度が遅くなる」という記述があるブログ・書き込みをいくつか見かけたからである。
また、アプリにキャッシュが残っているとSDカードとの通信ではなく、すでに保存されているキャッシュから画像を取り出すようなので、毎回アプリのキャッシュを削除してから実験を行った。
結果はこんな感じになった。
転送枚数(枚)
平均時間(s)
1枚あたりの時間(s)
1
2
2
5
11.4
2.28
10
23.6
2.36
30
73.2
2.44
40
90.8
2.27
生データは記事の一番下にある。
平均すると画像1枚につき2秒あまりで転送できるという結果になった。画像はだいたい1枚3MBくらいなので、通信速度はだいたい1~1.5MB/sといったところだろう。
FlashAirはRAWデータを転送することもできるのだが、多くのカメラでRAWは20MB程度ということを考えると、1枚当たり15秒くらいかかるということになる。これが実用に耐えるかどうかに関しては、まあ人それぞれの感性によると思う。
「転送枚数が増えると、転送速度が遅くなる」という書き込みであるが、画像40枚程度であればそこまで大幅な速度低下が起きるというものではなさそうだ。ただ、前の画像の転送が終わり、次の画像を転送し始めるときに若干通信がもたついているように見えることがあり、40枚転送した実験では合計時間に10秒ほどバラツキがあった。
まあ、そこまで大きな差を感じるようなものではない。速いときは速いし遅いときは数秒遅れる…といった程度。
そこまで心配することではないと思う。
Eye-FiとFlashAirの違い
Eye-Fiはブランド自体がFlashAirに吸収合併されたわけだけど、このふたつの大きな違いは「全ての画像を転送すること」を前提としているかどうかである。
一括のEye-Fi、柔軟なFlashAir
Eye-Fiは基本的に「全ての画像を転送する」というコンセプトだったのに対して、FlashAirは「選んだ画像を転送する」というのがコンセプトだ。
Eye-Fiの場合、なにもしなくてもアプリさえ開いておけば全ての写真をスマートフォンに転送しておいてくれた。これは便利である反面、何枚か写真を撮ってから新しく撮った写真をスマートフォンに転送したい場合、目的の写真が転送される前に以前の写真が転送されるのを待たなくてはいけなかった。
対してFlashAirでは、転送画像の指定が必要である。これによって、Eye-Fiと比べて操作手順が一段多くなるが、その分柔軟な対応が可能になっていると言えるだろう。
Eye-Fiでは失敗写真が同期されるのを眺めている時間があったが、FlashAirではそんな写真は飛ばしてしまえばいいのだ。今すぐスマホでシェアしたい!という風な使い方をする人には断然FlashAirだろう。
かなり前に購入したEye-Fiと、新しいFlashAirを比べるのはフェアとは言えない気もするが、通信の安定性もFlashAirの方が勝っていると感じた。
まあ、Eye-Fiはもう生産されていないし、FlashAirも今後どうなるかわからないのだけど…
使い方によるけど、Eye-Fi使っていた人なら、とりあえず買って損はなさそう。というのが、ここ2日間FlashAir使ってみての感想だ。
ちなみに、FUJIFILM XQ2でも、SIGMA DP1 Merrilでも問題なく通信をすることができた。だけど、MerrilでX3Fデータを送るのはあんまり実用的ではなさそう。JPG撮って出しはあんまりよろしくないし…XQ2での運用になりそう。
FlashAirテスト生データ
転送枚数(枚)
1回目
2回目
3回目
4回目
5回目
1
2
2
2
2
2
5
11
10
12
12
12
10
25
23
22
24
24
30
67
69
78
77
75
40
86
90
95
92
91
もちろん時間の単位は「秒」である。
実際に使ってみる
カード自体の初期設定を済ませ、スマートフォンアプリを用意したら、あとは写真を撮影するだけだ。
初期設定はある程度パソコンを使っていれば簡単に済ませられる程度の難易度。丁寧な説明があるので、ソフトの指示通りに進んでいけば間違えることはないだろう。
写真を撮影し、デジカメの電源を入れたままスマートフォンアプリを立ち上げると、スマートフォンが自動でFlashAirカードとWi-Fi接続を始める。iOSだと自動切り替えにならないそうなので、自分でWi-Fi設定を切り替える必要があるようだが、Androidならば自動切り替えだ。
接続が完了すると、このような画面が表示される。
デジカメで撮影した写真がサムネイルとしてスマホ上に表示されるのだ。サムネイルの取得にかかる時間はかなり短く、一瞬といってもいいくらいだ。
少し前に発売されたようなスマートフォンで画像を閲覧するのと同じくらいのレベルといえる。
あとはこの中から必要な画像を選んで、スマートフォンに保存するだけである。即座に共有するアプリを選ぶこともできるので、SNSへのアップなどもすぐにできる。
気になる転送速度
さて、一番気になる?画像の転送速度についてである。サムネイルは一瞬で取得できるが、実際にスマートフォンに保存するにはどれくらいの時間がかかるのか?というのが、使い勝手を大きく左右する。そこで、以下のような実験を行った。
- デジカメで40枚の写真を撮影。今回はFUJIFILM XQ2を使用する。
- 撮影した写真を1,5,10,30,40枚転送の場合に分けてそれぞれ5回ずつ転送し、各回で時間を計測。
- 転送が終わる度にFlashAirアプリのキャッシュを削除する。
転送枚数にバリエーションをもうけたのは、「転送枚数が増えると、転送速度が遅くなる」という記述があるブログ・書き込みをいくつか見かけたからである。
また、アプリにキャッシュが残っているとSDカードとの通信ではなく、すでに保存されているキャッシュから画像を取り出すようなので、毎回アプリのキャッシュを削除してから実験を行った。
結果はこんな感じになった。
転送枚数(枚) | 平均時間(s) | 1枚あたりの時間(s) |
1 | 2 | 2 |
5 | 11.4 | 2.28 |
10 | 23.6 | 2.36 |
30 | 73.2 | 2.44 |
40 | 90.8 | 2.27 |
生データは記事の一番下にある。
平均すると画像1枚につき2秒あまりで転送できるという結果になった。画像はだいたい1枚3MBくらいなので、通信速度はだいたい1~1.5MB/sといったところだろう。
FlashAirはRAWデータを転送することもできるのだが、多くのカメラでRAWは20MB程度ということを考えると、1枚当たり15秒くらいかかるということになる。これが実用に耐えるかどうかに関しては、まあ人それぞれの感性によると思う。
「転送枚数が増えると、転送速度が遅くなる」という書き込みであるが、画像40枚程度であればそこまで大幅な速度低下が起きるというものではなさそうだ。ただ、前の画像の転送が終わり、次の画像を転送し始めるときに若干通信がもたついているように見えることがあり、40枚転送した実験では合計時間に10秒ほどバラツキがあった。
まあ、そこまで大きな差を感じるようなものではない。速いときは速いし遅いときは数秒遅れる…といった程度。
そこまで心配することではないと思う。
Eye-FiとFlashAirの違い
Eye-Fiはブランド自体がFlashAirに吸収合併されたわけだけど、このふたつの大きな違いは「全ての画像を転送すること」を前提としているかどうかである。
一括のEye-Fi、柔軟なFlashAir
Eye-Fiは基本的に「全ての画像を転送する」というコンセプトだったのに対して、FlashAirは「選んだ画像を転送する」というのがコンセプトだ。
Eye-Fiの場合、なにもしなくてもアプリさえ開いておけば全ての写真をスマートフォンに転送しておいてくれた。これは便利である反面、何枚か写真を撮ってから新しく撮った写真をスマートフォンに転送したい場合、目的の写真が転送される前に以前の写真が転送されるのを待たなくてはいけなかった。
対してFlashAirでは、転送画像の指定が必要である。これによって、Eye-Fiと比べて操作手順が一段多くなるが、その分柔軟な対応が可能になっていると言えるだろう。
Eye-Fiでは失敗写真が同期されるのを眺めている時間があったが、FlashAirではそんな写真は飛ばしてしまえばいいのだ。今すぐスマホでシェアしたい!という風な使い方をする人には断然FlashAirだろう。
かなり前に購入したEye-Fiと、新しいFlashAirを比べるのはフェアとは言えない気もするが、通信の安定性もFlashAirの方が勝っていると感じた。
まあ、Eye-Fiはもう生産されていないし、FlashAirも今後どうなるかわからないのだけど…
使い方によるけど、Eye-Fi使っていた人なら、とりあえず買って損はなさそう。というのが、ここ2日間FlashAir使ってみての感想だ。
ちなみに、FUJIFILM XQ2でも、SIGMA DP1 Merrilでも問題なく通信をすることができた。だけど、MerrilでX3Fデータを送るのはあんまり実用的ではなさそう。JPG撮って出しはあんまりよろしくないし…XQ2での運用になりそう。
FlashAirテスト生データ
転送枚数(枚) | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 |
1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
5 | 11 | 10 | 12 | 12 | 12 |
10 | 25 | 23 | 22 | 24 | 24 |
30 | 67 | 69 | 78 | 77 | 75 |
40 | 86 | 90 | 95 | 92 | 91 |
もちろん時間の単位は「秒」である。