世の中がエヴァンゲリオンに沸く中、Netflixでアニメ「波よ聞いてくれ」を一気見した。
元々原作のマンガの第一話が無料配信されていたので、それを読んでなんとなく気にはなっていたのだけど、まだ手を出していなかった作品だった。
舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露する。すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で流されてしまった。
アル / 波よ聞いてくれ あらすじ
激高したミナレはラジオ局に突撃するも、ディレクターの口車に乗せられアドリブで自身の恋愛観を叫ぶハメに。この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。まさに、波よ聞いてくれ、なのだ!
そうしたらまあ、おもしろいのなんのって。そのまま勢いづいて原作もKindleで揃えてしまったよ…現在8巻まで発売中。
↑無料で衝撃の第一話読めますってよ。
深夜ラジオで育ったあなたへ
この作品の柱は「ラジオ」である。しかも「深夜ラジオ」だ。さらに言えば北海道は札幌にある、道内のみで放送されているFM放送だ。
中学生の頃に深夜ラジオを夜な夜な聞くようになったあたりから、急激に夜型人間に変貌してしまった。早寝早起きが基本、ほとんど夜更かしができない小学生時代を過ごしたのだけど、そこで人生の方向性がなんとなく変わった気がする。
中学校の卒業式の校長先生の言葉は覚えていないが、式が火曜日にあったことだけは覚えている。前日に「伊集院光深夜の馬鹿力」を聞いたことを覚えているからだ。フリートークで録画したダーウィンが来た!をBlu-rayディスクに焼く際の顛末を話していたはずだ。
最近ではラジオもすっかりとご無沙汰になってしまっているのだけど、自分も含め深夜ラジオで育った人間というのは、概してラジオへの偏執的な愛着を持っていると思う。
そんな人には是非ともこのマンガを読んでほしい。
失恋の愚痴を酒場で知り合ったラジオ局員にぶちまけたことがきっかけで、スープカレー屋の店員である鼓田ミナレが深夜3時半からのド深夜ラジオ番組を持つことに。
作中で語られるテレビとラジオの違い、斜陽と言えるラジオの現状。ラジオリスナーをやっていたことがある人なら確実に心当たりがある話が盛りだくさんなのだ。
もちろん、素人がいきなりラジオ番組を持って、完全に順風満帆になる…なんてことはない。
企画は思いつかない、突撃ロケでやらかす、スポンサーなんて夢のまた夢…
そんな順風満帆、華々しい芸能生活とは明らかに一線を画した27時半。
でもそれが深夜ラジオを聞きたくなる所以なのかもしれない。
主演声優の杉山里穂さんの演技がすごい
主人公の鼓田ミナレの声を当てているのは、杉山里穂さんという声優の方。この作品を見るまで知らなかったのだけど、なんとこの作品が初の主演とのこと。
ラジオDJとしても普段からもパワフルにしゃべり続ける鼓田ミナレを演じきるのは本当にすごい。原作を読んでも鼓田ミナレの声はやっぱりこの人だなーと思う。
ちょうど声優アワードなる賞を受賞されていた。めでたい。
共犯者になろうじゃないか
作中に「テレビの視聴者はお客様、ラジオのリスナーは共犯者」というセリフが登場するが、この作品を観ていると、自分が共犯者になっている気分になってくる。北海道に行ったこともないのに。
それがラジオの魅力であり、この作品の魅力なんだと思う。
さあ、あなたも深夜ラジオの世界を体感してみましょう!
もしくは琴欧洲のブログを読んでください!