貴族階級のラーメンの話

仕方なく入ったレストランなんかでは、だいたいカレーを頼む。大外れというのがあまりないからである。
同じような理由で、特にこれといって食べたいものがないときも、その辺のラーメン屋に入ったりする。そもそもラーメンが好きではあるのだが、それに加えてさすがに大外れのラーメン屋というのは淘汰されていくもので、だいたいが当たりなのである。
特に大きめの駅の近くで大外れラーメンにお目にかかるのはもはや難しいと思う。

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そんなラーメンに油断していた今日この頃、久しぶりに「外れだ!」というラーメンに出会ってしまった。これから書こうと思っていることからして、店名を直接書くのはよしておこう。秋葉原・浅草橋の駅からほど近いお店である。

土曜の夜、秋葉原、大行列のラーメン屋。人気店である。食べログを見てみるとトップ5000の店に入っているし、Google mapのレビューでも絶賛されている。評判のいいお店なのだ。
行列に並ぶこと30分ほど。店内に入る。なんだかえらくこだわりがありそうな店内であった。

しばらく待つとラーメンが運ばれてくる。なんだかオシャレな感じの器に入って運ばれてきた。塩ラーメンを食べたのだけど…なんだろう、味のパンチのなさと、麺のもそもそとした食感。そしてスープの「いろんなものから時間かけてダシ取りました!」というボンヤリとした味。
食べながら思ったのは「並ぶことねえな…」ということ。

店を出てからしばらく歩き、同行者と感想を言い合ったのだけど、共通見解としては「こだわりはすごそう。あまりおいしいとは思わない」であった。

口コミをしっかり読んで行ったわけではなかったので、確認してみると「周囲を固める具材にもこだわりを持ったラーメン」「ラーメン屋では珍しい結構オシャレな店」「アートな色彩」「美味&美麗」…
美味しんぼかよ!というコメントがたくさんついていた。ラーメンにオシャレとかアートを求めたことが一度もなかった。なんだよ美麗って。

いやはや、これはちゃんと読まずに行った自分が悪いのだ。と思った。
庶民舌にはわからないラーメン屋であるということを理解してから入るべきお店だったのだろう。
正直、今までお店で食べたラーメンの中でワースト5に入る。サービスエリアで食べたラーメンの方が好きだ。

僕がラーメンに求めるものと、お店が追求したいラーメンの間に隔たりがあったのである。仕方のないことだ。
それはきっと、貴族階級が食べるラーメンだったのだ。

あなたが今行こうと思っているラーメン屋は、秋葉原駅から徒歩10分以内で、イタリアンだかフレンチで修行した店主がやっている店ではありませんか?「こだわり」を前面に出してきていませんか?
僕だったらその店から徒歩3分の「青島食堂」に行きます。おいしいから。

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