話題作、シン・エヴァンゲリオンの公開からだいたい1ヶ月が経過した。ネット上での論争もだいたい一巡りした感がある。
「さらば、全てのエヴァンゲリオン」というキャッチコピーの通り、良くも悪くもエヴァンゲリオンはこれで終わり!ということになったのだろう。
Netflixで旧アニメ版だけ視聴した僕としては、シンエヴァのあらすじというか概要を見聞きして「じゃあ、アニメ版はいったいなんだったんだよ」とシンジ君のようなテンションで思っているが、そんな初心者のいちゃもんはこの際どうでもいいのだ。変わり者の監督が「これにて大団円」とやったんだから、それに従うしかないのだ。たぶん決着はついたのだ。
しかし、僕はまだ決着がついていないエヴァンゲリオンを近所のスーパーで発見してしまった。
「映画公開記念」と銘打たれたその商品はスーパーの片隅に導入された「エヴァンゲリオンふりかけ」だ。パッケージにはドカンと綾波レイや式波・アスカ・ラングレーがプリントされている。
映画公開の半月ほど前に初めて見かけたのだけど、エヴァンゲリオンって決して食欲を増進する方面の作品ではないよねえ。
どうやら実際ほとんど売れていないようで、見かける度に棚の上の在庫の数が変わっていなさそうなことが確認できる。キャラクターが堂々とプリントされているものって、たとえそれが好きな作品であってもなかなか買いづらいという心理がはたらくと思う。相当なエヴァンゲリオンファンでなければ購入を躊躇するのではなかろうか。
店側も「このままだと映画公開ブーストが終わってしまう」と焦ったのか、徐々に値段を下げてきている。現在初期の8割ほどの価格にまで下落してきているものの、未だ大きな動きは見えてきていない。未だにエヴァンゲリオンは終わっていないのだ。
しかしまあ「エヴァンゲリオンふりかけ」である。
「庵野監督が結婚したことで…」「エヴァを終わらせるには現実世界と向き合うことが…」「シンジよりもゲンドウの年齢に近付いてから見るエヴァンゲリオンは…」「密着取材が…」「シン・ウルトラマンが…」「えっ、仮面ライダーも!?」とエヴァファンがやっている中で「ふりかけ」だ。
なんだろう、こんな事いいたくはないのだけど、空気が読めていないと言わざるを得ない気がする。「ふりかけ」と食い合わせのいい言葉の中で最もシリアスなのは「おとなの」なんじゃないか。
「シン・ウルトラマンふりかけ」とかあったら、なんだか銀色の粉が入っていそうでちょっと怖いよね。