ビートルズの面々のソロアルバムジャケットがヤバい件

みなさん、ビートルズの「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」が再発売されるのを知っているだろうか。
50年前に発売されたアルバムをリミックスとはいえ再発売する…もはやなんだそりゃ!というような企画を本当にやってしまうビートルズとその周辺の人々である。ビートルズ大好きだけど「商魂たくましいな!」と思うよ。2009年にリマスター盤出てるしね。そういう意味では、もう持ってるCDだから。

そんなこと言いながら、今回はCD2枚のバージョンをAmazonで予約したのであった…悲しい性だ。

さて、Sgt…というのは賑やかなアルバムで、極彩色・サイケデリックなサウンドというイメージがつきものだと思うのだけど、そのイメージはもしかしたらアルバムジャケットから来ているのではないかと思っている。
前のアルバム、「Revolver」につきまとう無機質・モノクロなサウンド…というイメージも、たぶんアルバムジャケットの妙なのだと思う。視覚イメージが音への印象を大きく左右していると思う。

ジャケットについて考えることは、ビートルズを楽しむ中で結構大きなウエイトを占める。
Help!までのアイドル路線からの脱却を歪んだ写真で表したRubber Soul、シンプルにまとまったジャケットとは裏腹なホワイトアルバムのゴチャゴチャ感、Let it beでの4人の写真は黒い枠に仕切られてしまっている。有名なAbbey Roadは図らずもビートルズがスタジオを後にする構図だ。

とまあ、そんなことを言って考察ならぬ妄想を繰り広げていると、「ポール死亡説」をこねくり回す人と同じ穴の狢になりかねない。なんといっても50年前の話なのだ。妄想しようと思えばいくらでも妄想ができてしまう。

しかしまあ、アルバムジャケットが大体どれを取っても秀逸なビートルズであるが、解散後のソロ活動においてはなかなか皆さんとんでもないアルバムジャケットを使用している。とんでもないというか「やっちまってる」のである。

ポール・マッカートニーの場合

先日来日公演を行ったポール・マッカートニー、彼のビートルズ後のアルバムはわりとちゃんとしたジャケットを採用している。唯一アレなのが、「GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET」である。

映画のサウンドトラック盤とはいえ、なかなかうーん…といった出来。ポールの表情は一体なにを示している?シルエットの男はなにを抱えている?謎は深まるばかりだ。

ジョージ・ハリスンの場合

大変なことになっているのがジョージ・ハリスンだ。ビートルズでは不遇なポジション、それでも作詞作曲能力を伸ばし続け、解散後に大きな評価を得たのだが、そのアルバムジャケットはとんでもないことになっている。

1987年に発売された「Cloud Nine」である。なんでそのサングラスをかけてしまったんだ。笑顔を見せているのだと思うのだけど、全てサングラスに持って行かれている。さらに右上のフォント部分のヤバさも大概だ。なんで「George」と「Harrison」でフォント変えちゃったんだよ。

輪をかけてヤバいのが「Dark Horse」である。東洋哲学に強い影響を受けていたジョージらしく、仏教的なイメージが色濃く…出てるのだけど…どうしても「邪教」という二文字が頭の中を飛び回ってしまう。真ん中にいる人の胸のところに書いてある丸はなんなの?

リンゴ・スターの場合

続いてメンバーの中で弟分とされることの多いリンゴ・スター。独特な言語センスで名曲が生まれるきっかけを作ることも多かった彼だが、ソロアルバムではその独特な感性が染み出すアルバムジャケットを見せてくれている。
まずは「Goodnight Vienna」だ。

まず目を引くのが、左側に立っている謎の銀色男。そしてUFOだか秘密基地だかから出てきたリンゴ。独特というかなんというか、とにかく宇宙的なサウンドなのだろうな…という予想しながら再生してみると…そんなことはない。リンゴ・スターらしい、カントリーな雰囲気漂うサウンドだ。

ライブ盤である「Live On Tour」も外すことはできない。

なんでその服を着てしまったんだ。「RINGO STARR」の文字もPhotoshopでなんの工夫もしないで縁取りしたときにできるクオリティだ。Wordアートと似た感じを受ける。なによりヤバさを際立たせるのは、このアルバムが2008年に発売されているということだ。今から10年前にこのジャケット。恐るべし、リンゴ・スター。

前述の3人に比べて、ジョン・レノンはわりとちゃんとした(?)ジャケットを採用している。ヤバいのは「Unfinished Music No.1: Two Virgins」(邦題:「未完成」作品第一番)くらいだ。ヤバさのベクトルが明後日の方向を向いている。写真を引用することも躊躇われるため、各自検索してみてほしい。

以上がアルバムジャケットの大切さを教えてくれる、ビートルズ後のソロアルバムである。
今さらジャケットにこだわらなくても、既にネームバリューがとんでもないことになっているからわりとなんとかなっていたんじゃないか?とも思えるのだけど、さすがに…ねえ。

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