浦沢直樹展で「漫画家」を生々しく感じた

2016年1月16日に始まって3月31日で終了なのでこれを書いている時点で開催期間も終わりにさしかかっているのだけど、漫画が好きな人にはかなりオススメ。
なにがオススメかって、漫画家をものすごく生々しく感じられるところ。

漫画の原画って大きい

単行本はB6(縦182 mm 横128 mm)、週刊誌はB5(縦257 mm 横182 mm)が一般的な漫画のサイズ。
それに対して漫画の原画というのはB4(縦364mm 横257 mm)というサイズで描かれている。
短い方の辺が25 cmというのはかなりのサイズ感。でかっ!と思う。
このサイズ感のものをほぼ毎週20ページも描くという作業の凄まじさを考えると気が遠くなる。

イメージとして展覧会ってちょろっと原画があって、他は知り合いのコメントとか、キャラクター紹介とかそんな感じのものを想像していたのだけど、とにかく原画が大量に並んでいる。
20世紀少年やYAWARA!の冒頭、MONSTERの最終刊の原画がすべてB4サイズで並んでいるのは壮観の一言。

どんどん先に進みたくなる

いろいろな楽しみ方があると思うけれど、僕が浦沢直樹の作品を読むときはページをめくる手がどんどん早くなってしまう。
そして高速でページをめくったあとに、やっぱり気になるページに戻ってみる。そんな読み方になる。
ストーリー展開が気になるのもあるのだけど、ページをめくらせる魔力というものがあるのだと思っている。

そして展覧会で思ったのは、浦沢作品が電子書籍化されないのは、ページめくりの速度という理由もあるんじゃないかということ。

電子書籍は紙の漫画に勝てるか?

MONSTERの最終刊の原画はもちろんB4サイズの原画が大量に並んでいるのだけど、本当に次から次に読みたくなる。
最初から原画が並んでいるからめくる必要が無いのだけど、その感じが心地良い。

電子書籍は場所も取らないし、サッと買えるしスマホがあればどこでも読めるし…といいところがたくさんあるのだけど、タブレットを使わないとやはり視認性が悪い。
そしてなによりページめくりの速度がどうしても紙媒体には及ばないと思う。端末の問題かもしれないけれど、やはり紙媒体のレスポンスはすごい。

漫画家ってやっぱりすごい

異常な作業量をこなすことで週刊連載をする漫画家というのは、その時点ですでにすごいのだけど、絵が描けない側の僕が一番衝撃を受けたのは、小学校低学年の浦沢直樹が書いた漫画。
マッハGoGoGoのようなレース漫画だったのだけど、それを見た瞬間、一生かかってもこのクオリティーの絵を描くことってできないだろうなあ…と実感できた。

漫画家を生々しく感じられる浦沢直樹展、オススメですよ。

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