Netflixって本当に不思議で「時間のあるとき見よう!」という作品は大量に見つかるんだけど、果たして時間ができた時にそれを見ているかというと…?
「自分の時間の使い方について省みる」というサービスになっている気がする。
流行病によって強制的に世間と隔絶された時間が発生していたため、いよいよNetflixと真剣に向き合うことになり、マイリストに入れていた作品からいくつかを鑑賞したので、その中でもオススメの作品2つを紹介する。
ペプシよ、戦闘機はどこに? ~景品キャンペーンと法廷バトル~
ビリー・ジョエルの人気曲「We Didn’t Start the Fire」に続々と歌われる歴史上の出来事の最後に(冗談めいて)登場する「Rock and Roller cola wars」という言葉。
コカ・コーラとペプシの宣伝合戦に起用されるロックンローラーを皮肉ったものなんだけど、加熱する宣伝合戦がとんでもない事態を招いていたのはそこまで有名じゃないかも。
ちなみに「We Didn’t Start the Fire」の邦題が「ハートにファイア」なのは、もうなんというか、あまりにも悲しいことじゃないですかね。閑話休題。
加熱する宣伝合戦・シェア競争の中でペプシは「ポイントを貯めるとペプシグッズと交換できる!」というキャンペーンを開始する。そのCMの中に登場する戦闘機「ハリアーII」にそこそこ手の届きそうなポイントを設定してしまった。
しかもキャンペーンの付帯条項に「現金をポイント化できる」というのがあったものだからさあ大変。そこに目を付けた大学生のジョン・レナードは戦闘機を格安で手に入れるチャンスとして、投資家と共にキャンペーンに応募する。
もちろん戦闘機をプレゼントする気がないペプシと、公開されたCMでの約束を果たせというレナードの話し合いは平行線。そして裁判へともつれ込む…
という、まあ言ってしまえば「お互いになにやってるんだよ」というお話である。あまりにもしょーもないCMを作り、それに全力で乗っかってみる…という、ともすれば20年くらい前に日本のネットでも行われていそうなお話だ。
「ハリアーII」の交換ポイントがなんとかすれば集められそうな金額になった理由が明らかになるにつれ「しょーもねー!」という気持ちは加速していく。
これを観た後、ペプシが飲みたくなるかはわからない。コカ・コーラも特に飲みたくはならない。でも、なんだか「いい話」を見た気分にはなると思うので一見の価値ありだと思う。
人に見せる文章だったり表現にはよくよく気をつけましょう!
サイバー地獄: n番部屋 ネット犯罪を暴く
ところ変わって韓国のドキュメンタリー。最近Netflixで公開されるドキュメンタリーに韓国のものが増えている気がする。
Telegramのチャットルームで行われた性犯罪の犯人を追った記者・ホワイトハッカー・警察関係者の奔走を描いたドキュメンタリー。
「n番部屋事件」という女性の個人情報を使って脅し、匿名性の高いTelegram上で性的搾取を行った写真をアップしていく…という、概要を書くだけでもかなり胸糞の悪い事件に対して、その匿名のベールをひとつひとつ剥がしていく…というあまりにも地道な捜査のお話。
しかしまあ、匿名性の高いチャットアプリを使って、お金の受け渡しも仮想通貨を使って、完全に匿名性を担保したように見えても意外なところからボロが出るものである。
悪いことはするものじゃないし、SNSにアップする写真には気をつけましょう。
扱っている事件の性質上、かなり生々しいお話も登場するので、そういうのにある程度耐性がある方には是非。