アウトローが忘年会とかするもんじゃない

反社会的組織のパーティーに参加して、出演料をもらっていた芸人が謹慎処分になったというニュースが、ワイドショーなどで話題になっているらしい。

なるほど芸人が謹慎処分を食らって、一番大変なのはテレビ局だろう。モザイクをかけたり編集をしてその芸人を映像から消し去らなくてはいけない。CMにも影響がでるかもしれない。それはそれは結構な労力がいるのだろう。確かにテレビ的には大きな出来事だ。

まあ、そんなことはどうでもいいのだ。騒動の発端となったのが「振り込め詐欺グループの忘年会」というのが実におもしろいではないか。

曲がりなりにも社会人として生きていると「忘年会」なるものに参加せざるを得ない事態が発生することがある。
一年の苦労を、お酒を飲んで忘れましょう。そして来年またよろしくお願いします…というのが忘年会である。その年にあったあれこれを忘れ、次の年への英気を養う…という建前でやるイベントだ。

果たして、「振り込め詐欺グループの忘年会」ではどんな話をするのだろう。その年の苦労話として囮捜査に引っかかりかけた話をするのだろうか。
新人に「入ってすぐは頼りなかったけど、最近はよくやってるじゃないか。孫の演技もだいぶ様になってきたな」といってビールを注いでみたりもするのだろうか。
「おお、今年は調子悪かったけど、来年があるさ。どんどん騙していこうぜ!」なんてなもんなのだろうか。

それこそ、「振り込め詐欺グループの忘年会」を題材にコントを披露する芸人が現れたらおもしろいんじゃないかと思うのだけど、まあそれは望むべくもないだろう。

そんなことを考えながらニュースを見ていると「誘われて参加したパーティーが暴力団の幹部の誕生パーティーだったらどうすればよいのか」というのをわざわざイラストまで用いて説明していた。大変タメになる情報である。

僕は知らない人の誕生日パーティーに誘われたこともない。誘われたとしても、暴力団関係者であるなしに関わらず断るけどな。

どうやら「気づいた時点で参加を断るのが正解」らしい。断ったらコンクリ詰めにされるんじゃないかと思ったのだけど「反社会的勢力の人は、断られることに慣れている」から大丈夫なのだという。切ないなあ。

というかそもそも、暴力団の幹部が誕生日を祝ってほしいものなのだろうか。幹部ともなればそこそこの年齢に達しているだろう。そもそも世間の枠組みを嫌ったから道を踏み外したはずなのに、それでもやっぱり誕生日は祝ってほしいものなのだろうか。想像を絶する話である。

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