体はわりと適当である

腰痛を患ってからというもの、日常生活のひとつひとつの動作にストレスがつきまとう。
下に落ちた物を拾おうとした瞬間。椅子から立ち上がろうとした瞬間。ひどいときには寝返りを打とうとした瞬間がストレスを生み出してしまう。立ったまま靴下を履くことができないって、こんなに悲しいことだったとは。

あまりにも痛々しい日常が繰り返されたため、あんまりやりたくなかったのだけど薬に頼ることにした。かの有名なロキソニンである。これまでに湿布の形で処方されたことはあったものの、飲み薬としては初めての使用に踏み切った。
なんで薬に頼りたくないかといえば、ロキソニンというはあくまでも痛み止めであって、腰痛の原因を根本から解決するものではない。いわゆる対症療法であり、この事態を解決に導くものではないのだ…などと御託を並べても、痛いものは痛い。通勤中にドラッグストアへと駆け込みロキソニンを購入した。

店を出て、箱の中に入っている錠剤をじっと見る。ラムネくらいの大きさの、白っぽい錠剤。
こんな小さな、なんてことはない、お菓子みたいな錠剤が、日常生活に真っ黒な影を落とす腰痛にどれだけ対処できるのだろうか。
大の男が靴下を履くのに四苦八苦しているんだよ?立ったままではもちろん無理、椅子に座ってみても腰の可動域が足りない。手がつま先まで届かないのだ。最終的に床に座った状態でうんうん唸りながら無理矢理に足をねじ込んで、なんとかつま先を靴下に収納し、一気に引き上げたのだ。
かかとの位置がちょっとズレているけれど、それを直そうとすれば腰の骨があらぬ方向にズレてしまいそうで、若干違和感を持ったまま家を出たんだぞ?そんな悲しい痛みを、こんな小さな錠剤がどこまで緩和できるのかな?
…逆プラシーボ効果を生み出しそうな疑念を抱きながら、小さな錠剤をお茶で流し込んだ。

結論を言えば、めちゃくちゃに効いた。びっくりするほど腰痛が消えた。1週間以上苦しんでたのはなんだという勢いで効いた。
普通に歩ける、普通にかがめる。靴下だって立ったままで大丈夫だ。普段通りのような生活が帰ってきた。
なぜだかわからないが、腰痛自体もだいぶ和らいできてしまった。どういうことだ、対症療法なんだぞ。おそらく、痛みのせいで変にかばうような動きをしていて、それが逆に治りを遅くしていたんじゃないかと予想している。実際のところはわからないけど。

しかしまあ、体というのもずいぶんと適当な物なんだなあ。
なにをするにも頭をもたげるほどの痛みだったのに、あんな錠剤で簡単に解決してしまって良いのだろうか。もうちょっと粘るとかさ、そういう姿勢があっても良いんじゃないのかい、体くん。
まあ、治まったのならいいんだけどさ。

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