ラーメン屋とスタバのタンブラーおじさん

チェーンのラーメン屋から出てきた、おそらくは自由業であろう男性、茶色の長髪にはパーマがかけられている。メガネのレンズには色が入っている。年の頃は40代半ばであろうか。
芸能人で言えばブラザートムにかなり近く見える男性。彼の手にはなぜかスタバのタンブラーが握られていた。

職場の最寄り駅はそこそこに賑わう地方都市で、様々なチェーン店が出店している。東京の大きな駅をなんとなくスケールダウンした感じだ。たくさんの店があるけれど「多面性」とか「多種多様」などといったプラスのイメージを持つ熟語よりも「雑多」「まぜこぜ」といった言葉の方がイメージを正確にとらえていると思う。
ドトールとタリーズとスタバって、一駅の周りでコンプリートする必要ないじゃん。と思う。

そういう場所で長いこと過ごしていると、ラーメン屋withスタバのタンブラーのようなよくわからない状況に度々出くわすことになる。
そのタンブラーの中には一体なにが入っているというのだ。スタバで提供される飲み物のいずれもラーメンとは食い合わせ最悪じゃないか?想像しただけでゾッとする。

しかし、これは「スターバックスという、なんだかオシャレなお店」という庶民から少し遠い位置にあったスタバを、完全にこちらのものとして受け入れているということに他ならないのではないか。

それこそ10年前スターバックスというのは、なんだかオシャレで都会的で、こちらが気を使ってしまうようなお店であった。パソコンを持ち込むのであればMacBookしか許されない。Let’s noteを持っている人はドトールへどうぞ。そんなスターバックスのタンブラーをラーメン屋に持っていくのであるから、あのおじさんこそ真のオシャレなのかもしれない。
そういえば「自分が住んでいるところのスタバの数でマウントを取る、その精神こそが田舎だ」という主張を僕はことあるごとに掲げてきた。その精神からいえば、このおじさんは真の都会人である。スタバに一切の気を使っていないのだから。

ちなみに僕の考える都会人の基準は「スタバを神聖視しない」「ららぽーとではしゃがない」の2点である。

おじさんの行く末を見守っていたのだけど、バス乗り場へと向かっていくところまでしか確認できなかった。

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