ヴォイニッチ手稿が解読されたかもしれないという話

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若干寂しいことに、ヴォイニッチ手稿が解読されたかもしれない、らしい。
謎の言語で書かれていて、謎の植物の挿絵多数、言語学だったり生物学だったりからも謎だらけ。そんなオカルト好きにも陰謀論好きにも好まれるあのヴォイニッチ手稿である。
今回の説ではヴォイニッチ手稿は「婦人の健康」に関する医学書で、「風呂に入った方がいい」という内容だった。とされている。

解読された内容についてガッカリする人が多いようだ。
たしかに、ヴォイニッチ手稿のバックグラウンドを思えばもっと神秘的なことが書かれていると期待したくもなる。だって、記録に残っている最初の持ち主が錬金術師なんだもの。そりゃワクワクするさ。
でもまあ、内容はそんなもんだろうと思う。炭素年代測定によって1400年頃に作られた羊皮紙を使っているということが明らかになっているのだから。日本で考えれば室町時代だ。金閣寺の建設と同時期に書かれたものに過剰な期待をするのは酷だと思う。

ただ、今回の解読が本当に正解だったとしたら、なんだかガックリくるのは否めない。これまでの説は一体なんだったのだ。
人工言語と思われたものは省略されてわけがわからなくなった言葉だった。別に既に滅んでしまった民族の言葉でもない。絶滅してしまった植物のスケッチと思われたものも写しに写しが重なって、ただ単に正確でないだけ…

一応、大学時代は理学部にいて「わからないことを追究していく」ということをやっていたのだけど、それでも「謎が解けて寂しい」という気持ちにさせるのは、ヴォイニッチ手稿のバックグラウンドのせいなのだろう。だってあまりにも壮大なんですもの。

そんな壮大さに目がくらんだ結果、解読されたことにガッカリし、冒頭のような画像を作るにいたったのだ。これはヴォイニッチ手稿への期待の裏返しであるし、きっとヴォイニッチ手稿の魔力とでもいうものである。
「当時入浴は一般的でなかったのでは?」などというツッコミは一切受け付けない決心である。

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