ハンドスピナーを買ってみた

ネットの流行を半歩遅れて追いかけることでおなじみの僕であるが、今さらハンドスピナーを買ってみた。
有り体に言えばただ単に「くるくる回して遊ぶおもちゃ」なのであるが、結構ちゃんとした作りで、一度回すとかなり長い間回っている。ただそれだけのおもちゃである。

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これが、東急ハンズにて2000円弱。ただ単に回転するだけの物に2000円。そう考えるとなかなか微妙な気持ちになってくるのだけど、ストレス解消に良いという話を聞いて思い切って買ってみた。
そうしたら、これがどうしてなかなか面白いのである。

面白いといったって、やっぱりただただ回っているだけで、変形とか面白い音が出たりとか、そういうことは一切ない。
それでも、ハンドスピナーを回していると時間がボヤッと過ぎていく。無心というか、ただただボケッとしてしまう。

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ハンドスピナーを回していると、喫煙者の知り合いが言っていたことを思い出した。
彼はタバコを吸う時間は、ただボンヤリできる時間なのだと言っていた。その後、自分は決してニコチンを摂取したいわけではないと熱弁してくれた。
たぶん、後半は彼の「自分はニコチンに操られているのではない」という願望なんだと思うのだが、前半部の心情はなんとなくわかる。
ハンドスピナーは煙の出ないタバコなのかもしれない。

回転させる時間を競う向きもあるようだけど、それは野暮というものだと思う。ただ回っている物をボンヤリと見つめて、嫌なことを少しの間忘れる、たぶん、それがハンドスピナーだ。

しばらく回っているハンドスピナーを見つめながら、映画『インセプション』に出てくる「トーテム」を思い出した。主人公が夢の中にいるか、現実にいるかを判別するための道具であるトーテム。ハンドスピナーはそれに似ている。
もしも、ハンドスピナーが永遠に止まらなかったら、僕はきっと夢の世界にいるのだろう。帰ってこられるといいなあ。

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