EaseUS Data Recovery Wizard Freeの衝撃

データが消えても諦めるな!

EaseUSさんから「Data Recovery Wizard」というソフトのレビューの依頼をいただいた。

Data Recovery Wizard

EaseUSさんのソフトはこれまでにいろいろと使ってきた。パーティションの振り分けをフォーマットなしでやってくれる「Partition Master」というソフトだったり、パーティション内の内容を全部コピーできる「Disk Copy Home」というソフトを使ったりと、中学生くらいの頃から今に至るまで、10年近くお世話になり続けている。

今回レビューの依頼をいただいた「Data Recovery Wizard」というソフトは、削除してしまったファイルを復活させるデータ復元ソフトというジャンルのものである。

この記事は、EaseUSさんから製品版のライセンスをいただいた、いわゆる記事広告である。

他の復元ソフトと比べてどうなのよ?

上で述べたように、EaseUSさんのソフトはかなり前から使用しているし、その中で信頼性はかなり高いと思っている。
しかし、実際に他のところのソフトと比べてみるとどうなのか?これは実験してみるしかない。

今回はこの過去記事で紹介したふたつのフリーソフトとの比較実験を行いたいと思う。
また、USBメモリはELECOMの8GB、USB3.0に対応したものを使用している。
また、公正を期すために違うソフトでテストを行うごとに、データ抹消ソフトでUSBメモリ内のデータを抹消している(3回上書き方式)。

実験1 写真100枚を削除してしまった!

デジカメ時代の到来によって、写真の楽しみ方が印刷して楽しむよりもデータとしてストックして、見たいときに引っ張り出すというようになった。
しかし、デジタルデータは間違えて削除すれば一気に消える。バックアップを取っていないと操作ミス一発ですべて誤削除しかねない。
そんな状況を想定した実験を行った。

方法

ドライブデータを抹消して完全に空にしたUSBメモリに、1から100までナンバリングした写真100枚(約400MB分)をコピーした後、エクスプローラーから削除。
それぞれのソフトで削除した写真ファイルの復旧を行った。

結果

探索時間 復旧時間 復旧枚数
Data Recovery Wizard 2分30秒 10秒 100
Recuva 3分26秒 23秒 92
DataRecovery 5分40秒 失敗 失敗

このような結果となった。Data Recovery Wizardでは驚異の全ファイル復活。心強いスタートである。
ファイル復元フリーソフト界隈では結構有名なRecuvaも92枚が復元と健闘している。しかし、125個の拡張子が不明なファイルが発生した。
意外だったのはDataRecoveryである。復元を開始して早々に「同じ名前のファイルがあります」と警告が出ていちいち復旧が止まってしまう。ファイル名を変えて保存させても画像を読み込むことができず、復元失敗という結果となってしまった。

実験2 写真を削除して、さらに上からファイルをコピーしてしまった!

実験1の発展系である。実験1では削除した後すぐさま復旧作業に入るという、ファイル復旧の上でかなり重要とされる「上書きをしない」を完全に守った、好条件での実験だった。
しかし、実際はもっと過酷な状況も考えられる。

方法

実験1と同じ枚数の写真をコピー→削除の後、USBメモリの容量いっぱいである7.3GBのファイルをコピー。それから写真データの復旧を行った。

結果

探索時間 復旧時間 復旧枚数
Data Recovery Wizard 2分30秒 2分 44
Recuva ファイル見つからず
DataRecovery ファイル見つからず

Data Recovery Wizardでは44枚の写真を復活させることに成功した。正直1枚も復旧できないのではないかと思っていたのだけど…
RecuvaとDataRecoveryではスキャンが一瞬で終わって、復旧可能ファイル数が0となってしまっただけに驚きの結果である。
驚いたあまり何度かやってみたのだけど、Data Recovery Wizardでは枚数は若干増減するものの40枚以上の写真を復旧させることができた。

実験3 音楽データが消えた!

ここまでは写真ファイルでしか実験を行っていないので、他のファイルでも実験してみる。
こちらの記事で書いた「自分を構成する9枚」の音楽ファイルで実験を行った。

方法

音楽アルバム9枚分、129曲、2.3GBをUSBメモリにコピーして削除。復旧を行った。

結果

探索時間 復旧時間 復旧曲数
Data Recovery Wizard 2分23秒 3分6秒 118
Recuva 2分45秒 1分45秒 なし
DataRecovery 6分 18分20秒 なし

Data Recovery Wizardでは129曲中118曲、約9割のファイルが再生可能になった。
対してRecuvaとDataRecoveryでは何度か実験を行ったが、いずれも再生不可となってしまう事態に…
以前HDDの中身をRecuvaで復活させたときも、音楽ファイルはかなりの数の歯抜けがでてしまって、WALKMANのデータを読み出して復活させたことを思い出した。そのときはもう少し成績よかったのだけど…

実験4 卒研データが飛んでしまった!

続いてはいろいろな形式のファイルが混在する卒研のデータである。 大学4年生の何%かがやらかす誤削除に対して、データ復旧ソフトはどれくらい立ち向かえるのか?

方法

実際に自分が卒研で使ったデータ、800MBをUSBメモリにコピー→削除を行い、すぐに復旧作業を行った。

結果

探索時間 復旧時間 復旧割合
Data Recovery Wizard 4分 1分 8割
Recuva 3分50秒 2分45秒 4割
DataRecovery 5分30秒 32分11秒 3割

こちらでもかなり偏った結果となった。Data Recovery Wizardでは8割くらいのファイルが復旧できたが、それ以外ではかなり厳しい結果となった。
特に差が開いたのが、Office系のファイル、つまりWordやExcel、PowerPointのファイルである。
画像ファイルやテキストファイルはすべてのソフトでわりとよく復旧できていたのだけど、Office系のファイルでかなり大きく差が開いた。卒業研究の要となりそうな部分である。

これを読んでいるかもしれない大学4年生、卒研のデータは何重にもバックアップしようね!締め切りは待ってくれないよ!

Data Recovery Wizardを使ってみて

Data Recovery Wizardのレビュー記事ではあるのだけど、失礼ながらこの結果が出たときは「そんなに差がつくか!?」と思った。
本当は実験1,2くらいで良いかなと思ったのだけど、あまりに信じられない結果が出たので、実験3,4も追加で行った次第である。
すべての実験は3回ずつ以上試行したのだけど、そのすべてにおいてData Recovery Wizardはかなり差をつけてのフィニッシュとなった。

Data Recovery Wizardの強い点・弱い点

復元力に関しては実験結果が示すとおり、かなり圧倒的な実力がある。
かなり強力なソフトであるが、動作が軽快であったりUIが初めて見た人にもわかりやすかったりと、操作が難しいといったことはない。

わかりやすい操作画面

気軽に強力な復元をすることができるという点では、他のファイル復旧ソフトとは一線を画すと言えるのではないか。

逆に弱い点として、これはほとんど難癖になってしまうのだけど、無料版の場合は復元可能なデータ量が限られてしまうというところがある。
2GBまではお試しだから、それ以上は有料版を買ってね!ということなのだけど、有料ソフトというハードルの高さは否めない。

しかし、失われてしまったデータがこれだけの高い確率で戻ってくるというのは、かなり魅力的であると思う。
実験4のように卒業研究のデータが消えてしまった!というようなとき、かなりオススメできる選択肢であることは間違いない。

失われたデータは本来戻ってこないものなのだ。

無料版でも2GBまでのデータを復旧することはできる。とりあえず絶望するより試してみてはどうだろうか。

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