バケモノの子、そして細田守監督について

バケモノの子、やっとこさみてきました。いろいろと書きたいことはあるのですが、うっかりとネタバレをする可能性があるので、映画の内容に関してはあまり多く書かないでおきます。オススメできる作品ですけど。

ということで細田守監督の作品についていろいろ考えたことを中心に。

とりあえずバケモノの子のあらすじ

母親を交通事故で亡くし、親戚に引き取られる寸前で家出をした少年が「バケモノ」である熊徹と出会いバケモノの世界へ。
少年は熊徹の弟子となり九太と命名され、修行に身を投じる。

17歳になった九太は人間界へと足を伸ばし、楓という女の子と勉強をする中で「人間界の大学に行きたい」と考え…

とまあ、だいぶはしょりましたけど、だいたいはこういう感じです。心の中の闇を巡るお話とかいろいろありますけど、その辺りは核心に触れそうなので実際に見ていただいた方がいいです。

人間界の「渋谷」とバケモノ界の「渋天街」を駆け巡る冒険活劇…という紹介が正しいのでしょうか。

 ★★★★★

細田監督について

僕が「この監督の映画は確実に見にいこう」と思っているのは細田守さんだけで、それだけレアなことなのです。
ちなみに実写版進撃の巨人がアレな感じになっている樋口真嗣監督とは外見が非常によく似ております。作品へのアプローチは全然違うのにね!

細田守 – Google 検索

樋口真嗣 – Google 検索

さて、細田守さんの長編アニメ映画を見る上で欠かせない軸があります(ONE PIECEはみてないけど)。
それは「対立する概念の並立・融合」と「成長」です。

例えば、僕が最高傑作だと思っている「時をかける少女」では、「タイムリープによって変わるもの・変わらないもの」と「真琴の成長」の2つです。
タイムリープによっていろいろなことを変えていく真琴と、タイムリープでは変わらない気持ちが並立したとき、「未来で待ってる」につながるわけです。また、それによって将来何をしたいかわからなかった真琴の将来が定まったり、功助と藤谷果穂の関係が進んだりするわけです。

サマーウォーズでは「都市生活と大家族」ともちろん「健二の成長」の2つ。
OZという電脳世界だったり、健二が孤独な思いをしているところと、昔ながらといった感じの大家族in田舎な生活。そして健二が自信を持てたという成長。数学オリンピック出られそうだったんだからいいじゃないか!というか出られたやつは何者なんですか。

おおかみこどもの雨と雪では「人とオオカミ」そして「3人の成長」描かれています。オオカミであることを選んだ雨と人であることを選んだ雪、そして母親の春を含めた3人の成長です。

そして今回のバケモノの子は「人間とバケモノ」と「九太・熊徹の成長」が主軸です。
人間界とバケモノ界が並立していて、そして九太の中で人間とバケモノが融合する。成長については見た人には言わずもがな。

成長物語というのはよくあるジャンルだと思うのですが、その多くは「対立する概念への決別・否定」もしくは「ミッションをこなす」ことによって成り立つことが多いでしょう。ただ、細田監督の作品ではそれが共存しうる(おおかみこどもについては、都市と田舎で都市の方を切り捨てた感はありましたけど)。
明らかな悪役は存在せず、なにかしらの接点がある。バケモノの子においては「自分と同じ」とまで言い切る。
そこが細田作品の魅力の1つじゃないでしょうか。

 

成長に関しては、象徴的に入道雲が使われてるよなあ…と思っていたら、今回のパンフレットでそれが名言されていたのでちょっと嬉しかったです。

絵が綺麗とかそういうことはあるけど、完全に専門外なのでよくわかりません。

あと最後にひとつだけ。楓のメガネを赤メガネにしたあたり、すごくいいと思います!ひゃっほう!

本当にワンシーンしかかけてないのですが、見逃さなかった辺り自分で自分を褒めたいですね。

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