難しい漢字を「ひらく」話

テレビのニュースで「○○の船がだ捕未遂」というテロップが流れた。ぱっと見て「だ補」という表記から「拿捕」を一発で連想するのは難しい気がする。
どうやら「拿」という漢字が常用漢字ではないから…ということなのだそうだ。その結果としてなんとも間の抜けた「だ補」なる表記が生まれたらしい。それだったらいっそのこと、違う単語を使えばいいと思うのだけど…

まあ確かに「拿」という漢字、日常で使わないというか、これまで書いたことがないし、「拿捕」以外の単語で使われているところをとんと見かけない。
というか「掌」という字を使うものだと思っていたので、「だ補」がテロップで表示されない限り、この字を気にかけて生活したことがなかった…ということになる。悲しい話だ。

難しかったり一般にあまり使わない漢字表記をひらがなにする事を「漢字をひらく」と言うらしい。たしかに「予め」とか「以て」とか「宜しく」なんて滅多に書かないなあ。
「だ補」に関しては中途半端にひらいちゃってるのがわかりにくさの元凶だと思う。どうせなら「だほ」でいいじゃない。かわいくて。

いろいろ調べてみると、常用漢字表に含まれない漢字で、なおかつ日常生活によく使われている字もあるようだ。
「嘘」「絆」「斧」「槍」「癌」「焚」「髭」「鯛」「瓜」「苺」…エトセトラエトセトラ。
「嘘」に関してはもうあちこちで使われている気がする。「絆」にいたっては一時期ものすごい頻度で見かけた漢字だけど、常用漢字としての地位はなかったらしい。意外だ。
ちなみに「瓜」は常用漢字から外れているが「爪」は入っている。やっぱりツメ部分が余計だったのだろうか。
まあ、別に難しい漢字を使うことが知性を表すなんてことにはならないのは事実だ。ただ難解な言葉を並べ立てるのは、むしろ知性を疑われても文句は言えない所行だ。

でもまあ、「だ補」に関しては少し考え直してもいいんじゃないかと思う。もしくはもうちょっとわかりやすく言い換えるとかね。そうすることが誠実さなんじゃないかと、個人的には思うけれど。

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